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カルナバイオサイエンス(株)【4572】の掲示板 2021/07/02〜2021/07/03

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tokyo 強く買いたい 2021年7月3日 22:33

カルナバイオサイエンス(1678円、前週比+21.6%)
 7月2日にストップ高の1678円(前日比+21.8%)を付けた。米Gilead Sciences社とカルナバイオサイエンスが共同で、「ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)調節薬」の特許を出願したことが7月1日の夕方に世界知的所有権機関(WIPO)において公開され、材料となった。2年前に開始した両社の共同研究が成果として表れたと考えられ、投資家の買いが集まっている。
 カルナバイオは2019年6月にGilead社と脂質キナーゼ阻害薬の研究開発などで提携する契約を結んだ。今回の特許出願で明らかにされたDGK阻害薬は、その成果とみられる。共同で研究開発を進める脂質キナーゼは非開示とされていたが、カルナバイオが販売するキナーゼのカタログからDGKのセットが無くなっていたため、標的分子はDGKであることが推測される状況にあった。

公開された出願書類のボリュームは膨大であり、1000ページ近くに及ぶ。
DGK阻害薬のリード化合物から派生したと思われる候補物質が多数掲載されており、その数は正確に数えていないが数百個にも上りそうだ。DGKはキラーT細胞の活性化に関与していると考えられており、DGK阻害により免疫が活性化することが期待される。出願書類には対象疾患として、がんだけでなく、HIV、慢性B型肝炎ウイルス(HBV)などの感染症、ワクチン、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)への活用も盛り込まれており、免疫の活性化が重要となる疾患や治療法が広範囲にカバーされている印象だ。
 開発の対象疾患として真っ先に挙げられるのは、Gilead社が力を入れているがんだろう。同社は低分子の経口PD-L1阻害薬(GS-4224)を第1相臨床試験に進めており、「飲むオプジーボ」の実現を目指している。キラーT細胞の活性化を促すDGK阻害薬はこれと相性がよいと考えられ、両成分が配合薬として効果を高め合うような薬剤開発が期待される。キラーT細胞の活性化を狙う創薬標的分子としてはA2A受容体、STING、IDOなどがあるものの、まだこれといった成果が出ているものは無い。DGK阻害薬がその一番乗りに成功すれば、飲むオプジーボを実現させるキードラッグ、あるいは他のがん免疫薬の併用相手として一定の地位を築く可能性もありそうだ。