ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

オンコリスバイオファーマ(株)【4588】の掲示板 2019/04/24

がん新型薬、数年内に治験、オンコリス、攻撃力高める。
2019/04/24 日経産業新聞 9ページ 1062文字 書誌情報
印刷
 がん治療薬開発のオンコリスバイオファーマはウイルスでがん細胞を攻撃する新規医薬品候補「テロメライシン」について、より高い効き目が期待できる第2世代の開発でアクセルを踏む。がん抑制遺伝子を組み込んだタイプで、同社の浦田泰生社長は「がん細胞への攻撃性が高く、数年内に臨床試験に進めたい」と説明。開発競争が進むがんウイルス療法で、早期の商用化とシェア獲得を狙う。
 テロメライシンは岡山大学の藤原俊義教授らが開発した、がん細胞だけを破壊する「腫瘍溶解性ウイルス製剤」と呼ぶ新規のがん治療薬。人に対して強い感染力を持つ「アデノウイルス」というウイルスを活用した。
 アデノウイルスの遺伝子を改変し、「テロメラーゼ」という酵素が活発に働くがん細胞にだけ感染し増殖するように設計。治療効果が高いほか、正常な細胞を傷つけないため副作用が少ないとされる。これに「P53」と呼ばれるがん抑制遺伝子を組み込み、テロメライシンの第2世代の位置づけで開発する。
 一方、第1世代のテロメライシンを巡っては24日、中外製薬とのライセンス契約が発効。同社が日本と台湾で独占的に製造・販売するほか、同社はオンコリスが新たに発行する約8億円相当の新株をすべて引き受けた。これにより中外製薬はオンコリス株の3・31%を保有する3番目の株主となった。
 浦田社長は「中外製薬の力を借りることで、できるだけ早期の実用化を目指したい」と話す。今後の両社の関係については「今のところは(オンコリスが中外製薬の)子会社になるなどの話は出ていない」(浦田社長)という。
 テロメライシンの商用化に向けては、国内で食道がん患者に対して安全性などを確認する2つの臨床試験(治験)を進めており、早ければ年内に1つの治験が終了する見込み。テロメライシンを使った患者のうち6割でがん細胞が消失する結果が出たという。
 テロメライシンは、治療効果に加え新規性も高いことから、厚生労働省が定める「先駆け審査指定制度」の対象にも選ばれた。これにより、通常1年かかるとされる審査期間を半年程度まで短縮。すみやかに製造販売の承認を取得できる可能性がある。
(つづく)