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米マッキンゼー、投資家に気候変動リスクを警告
モラル・マネー 投資の新潮流を紹介

欧州は今週、歴史的な熱波に襲われた。もっと汗を流したいという人は、「投資家は気候変動リスクを十分に考慮しているのか」という疑問について考えを巡らすといい。きっと冷や汗が出るに違いない。

米大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは、特に普段から環境保護などの「緑の活動」を旗印に積極活動しているわけではない。だが、リサーチャーたちは、投資家が気候変動リスクを軽視しているのではないかとの懸念を持っている。そこで、多額のリサーチ資金を投じて、気候変動がビジネスや金融市場に与える影響について調べることにした。

最終報告書の公表は、年後半まで待つ必要がある。だが、コロラド州で開催された「アスペン・アイデア・フェスティバル」で、マッキンゼーでサステイナビリティー部門を率いるディコン・ピナー氏は研究結果の一部を公開した。その内容はすでに多くの人を不安にさせるものだった。

ピナー氏によると、今後、今週欧州を襲ったような熱波は「珍しい出来事」ではなく、「当たり前の状況」になるという。こうした気候の変化は、産業界での「勝者」と「敗者」の図式を大きく塗り替える可能性を秘める。企業が持つ資産の価値を再評価する必要が出てくるからだ。

国や地方自治体が発行する債券の価値にも影響を与える。限られた税収で温暖化対策に苦戦している国や地域はすでに存在する。(「これからの10年間、スペインが干ばつに悩まされるとしたら、同国の30年債の妥当な価格はいくらか」、「フロリダ州では洪水とハリケーンが頻発しているが、所得税のない同州の30年債の価値をどう評価すべきか」――といったことを考える必要がある)

私と経済 米マッキンゼー、投資家に気候変動リスクを警告   モラル・マネー 投資の新潮流を紹介   欧州は今週

  • >>12007

    こうした懸念を持っているのは、マッキンゼーだけではない。アセットマネジメントを手掛ける英ハーミーズ・インベストメント・マネジメントは最近、国の信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)とESG(環境・社会・企業統治)リスクの関連性を分析した。米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、保険会社の格付けにESGの要素を取り込むと発表した。

    ムーディーズによると、ESGを考慮するようになった理由は2つある。欧州を襲った熱波のような突発的な気候ショックに対応するためもあるが、それだけではない。長期的に保険会社の投資ポートフォリオが、温暖化ガスに関連する資産や事業の価値下落を受けて劣化するのではないかと懸念している。環境の激変で価値が毀損する通称「座礁資産」の規模は、2050年までに欧州の金融業界だけで5兆ドル(約540兆円)に上ると見積もられている。米国は3兆ドル、日本は1兆ドルだ。とても大きな数字だ。

  • >>12007

    猛暑に首都圏官民が対策 道路や牛舎の遮熱性高める

    本格的な夏の到来を前に首都圏の行政機関や企業が猛暑への備えを強化する。道路に特殊な舗装をして少しでも暑さをやわらげたり、水害のリスクを事前に察知する新施策に着手したりする。今夏だけでなく、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた観客対応や、地域の観光集客につなげる動きもある。

    国土交通省関東地方整備局は7月上旬から、埼玉県熊谷市を通る国道17号の路面温度上昇を抑える工事を始める。熊谷市は2018年7月に国内最高気温の41.1度を観測するなど、猛烈な暑さで知られる。9月から開くラグビーワールドカップ(W杯)の会場にもなるため、国内外からの来客に備えた暑さ対策の一環として取り組む。

    同局は毎夏「熊谷うちわ祭」を開く熊谷市本町地区の道路約900メートルに遮熱材を塗る。通常のアスファルトに比べて路面温度を約10度抑えられるという。

    遮熱材の塗装は東京都も19年度に都内数カ所で実施する。東京・渋谷の複合高層ビル「渋谷ストリーム」では東京急行電鉄と組んで、微細なミストを噴出する装置とともに導入する。

    農業分野でも新たな暑さ対策が進む。千葉県は19年度から乳牛に冷感ウエアを着させたり、牛舎の屋根に遮熱材を取り付けたりする費用を助成するモデル事業を始めた。乳牛は暑さに弱く「夏場の生産量減少は千葉県の酪農の弱み」(滝川伸輔副知事)だという。猛暑でも乳牛が快適に過ごせる環境を整え、生乳を安定して生産できるようにする。

    近年は暑さに伴うゲリラ豪雨も頻発し、都心部を中心に水害への対応も急務となる。地形的に水害リスクが高いとされる横浜駅西口でも、豪雨時の浸水対策が進む。横浜市は雨水が流れる下水道の水位を測定して、地下街からの早期避難に役立てる施策を20年度から始める予定だ。全国でも珍しい取り組みという。

    雨水が通る水路や排水用のポンプ場の整備なども進める。将来は現在よりも3~4割多い82ミリの大雨を受け入れられる体制をめざす。

    地域観光でも対策は進む。東武鉄道は埼玉県川越市と連携し、19日から川越の観光地で日傘の無料レンタルを始める。800本の日傘を用意し、東武の川越市駅や観光案内所、商店街の店舗をはじめ約30カ所で貸し出しと返却に応じる。東武は「暑さの中でも快適に川越散策を楽しんでもらう」と説明している。

  • >>12007

    世界各地で酷暑、高まる危険(The Economist)

    フィンランド北部のラップランドの町ソダンキュラは、北極圏との境目のすぐ北に位置し、年間の平均気温は0度に満たない。そのため住民は、かろうじて夏に近い天気を少しだけ楽しめる7月を心待ちにする。ただ、今年ほどの暑さは求めていなかったはずだ。18日に気温は32.1度を記録、これは7月の平均を12度も上回り、1908年の観測開始以降、最も高い気温だった。うだるような暑さに見舞われているのはソダンキュラだけではない。

    ギリシャのアテネ近郊では、山火事で少なくとも80人が死亡した。スウェーデンでも例年にない暑さと日照りで森林火災が相次いでいる。英国とオランダは、降水量が最も少なかった夏に数えられる76年より雨が少ない。シベリアでは約800平方キロもの森林が燃えている。日本は今年の酷暑を災害と発表した。ロサンゼルスの中心街では7日夜、最低気温が26.1度となり、史上最も暑い7月の夜となった。それでもオマーンのクリヤットより涼しい。同市ではその数日前、1日の最低気温が42.6度だった。

  • >>12007

    ■欧州では2003年の熱波で7万人が死亡

    猛暑は、特に途上国で様々な問題を引き起こす。作物は被害を受け、食物は腐り、労働者の生産性が落ちる。気温の上昇は凶悪犯罪や暴動につながると示す研究もある。暑さが死ももたらしえる。欧州では2003年夏、7万人以上が猛暑が直接の原因で命を落としたとされる。

    03年夏の熱波は当時、1000年に1度の出来事として認識されていた。オランダ王立気象研究所のヘルト・ヤン・ファン・オルデンボルフ氏によると、今夏は今のところ、気温の面では欧州北部を除けば特に異常ではないという。例えば、オランダは数年に1度は酷暑に見舞われる。ただ、100年前なら20年に1度だったかもしれない。英気象庁のピーター・ストット氏率いるチームが数年前に算出したところによると、03年のような暑さは、12年までには1000年に1度ではなく127年に1度起きる状況に変わったという。

    地球温暖化がもたらす結果として、気温上昇ほど分かりやすい現象はない。今の地球は、大気に温暖化ガスが吐き出されるようになった産業革命の前に比べ、気温が1度ほど上昇しているという。この気温上昇をもたらすいわゆる熱力学的効果だけが問題なら、並外れて暑いと感じる今の気温がいずれ普通になり、異常な寒さはさらに珍しくなるだけだ。だが気候とは複雑なものであり、問題はそれだけにとどまらない。

    まず、より寒冷な北極と南極の方が、より暖かい低緯度地域よりも急速に温暖化が進むため、気象パターンが変化する可能性がある。両者の気温差が縮まると、ジェット気流(上空10キロあたりの高さで吹く偏西風)の速度が落ちる。そうなると、ジェット気流が運ぶ気圧や前線が長く滞留してしまう。これは熱力学的効果を相殺して、予想以上に低い気温をもたらすこともあるが、どちらかといえば涼しくなるより、暑くなることの方が多い。

  • >>12007

    ■人為的活動が異常気象発生の一因

    ただ、気温がいつどれほど上昇するかについては、気候学者の間で激しい議論となっている。特定の熱波や干ばつ、洪水を人為的汚染が原因と断定するのは難しい。異常気象は起きる。これまで観測された史上最高気温は、カリフォルニア州デスバレーの56.7度だ。ただ、それは1913年7月10日のことで、大気中の二酸化炭素の濃度は現在よりずっと低かった。

    高度な統計学を駆使し、人間活動の影響を排除した気候の変化をコンピューターでシミュレーションし、実際の気候の変化と比べれば、特定の天候が発生する確率が人間によって高められたかどうかを推測することができる。初めてそれを試みたのがストット氏らによる2004年の研究で、それによると03年の欧州の酷暑は、人間活動により発生確率が2倍になったという。以来こうした研究は急増し、「イベント・アトリビューション」と呼ばれるようになった。気候変動関連の情報を載せるサイト「カーボン・ブリーフ」が1年前に調べたところ、この分野の論文は138本に上り、144件の天気事象を分析していた。そして、48回の熱波の41回に人間活動が影響したという。

    その後も、多くの研究が進んでいる。オルデンボルフ氏とオックスフォード大学のフリーデリケ・オットー氏が運営するサイト「ワールド・ウェザー・アトリビューション」にはほぼ毎月、新たな研究が載る。過去の天候分析だけでなく、未来を予測する研究も多い。目立つのは、15年のパリ協定で掲げた目標に各国がどれだけ真剣に取り組むかで、異常気象の発生確率が今後どう変わるかというものだ。同協定は、産業革命前からの気温上昇幅を2度以内(できれば1.5度未満)に抑えるのが目標だ。

  • >>12007

    ■深刻なのは湿球温度の上昇、死者も増える

    だが、こうした研究結果が示す未来は明るくない。メルボルン大学のアンドリュー・キング氏らが6月に発表した研究は、1880年代からの1度の気温上昇に加え、さらに約0.5度上昇した場合、欧州各地で最高気温の更新を経験する人は、現在の4500万人から9000万人に倍増するという。もし0.5度ではなく1度上昇すればその数は、1億6300万人に増えるという。

    ここに湿度という要因を加えて分析した研究結果を目にすると、不安はさらに高まる。人間は、汗をかくことで熱に耐えることができる。汗が蒸発することで肌を冷やすからだ。だからカラッとした気候の50度の方が、蒸し暑い30度よりも不快感は低い。湿球温度(湿ったタオルで包んだ温度計で測定された温度)が35度を超えると、日陰で扇風機の隣に裸で横たわっている健康な若者でも、6時間以内に死亡する可能性がある。

    今のところ、湿球温度が31度を超えることはめったにない。ロヨラ・メリーマウント大学のジェレミー・パル氏とマサチューセッツ工科大学のエルファティ・エルタヒール氏は16年、二酸化炭素の排出量を削減できなければ、アブダビやドバイなど一部のペルシャ湾の都市では、今世紀末までに湿球温度が35度を超える可能性があると予測した。これに関連した別の研究では、2100年までに南アジアの一部でも、25年に1度は湿球温度が34.2度に達する可能性があるという。それらの国々は、アブダビなどの首長国よりもはるかに人口が多くて貧しい。

  • >>12007


    ■気候変動そのものを阻止する対策が重要

    こうした気候の変化は破滅的な影響を招く危険性がある。世界銀行によると、インドでは気温上昇とモンスーンの変化で、50年までに1人当たり国内総生産(GDP)の2.8%が失われ、特に「ホットスポット」とされる地域に住む6億人の生活水準に影響する可能性があるという。暑さによる生産性低下のコストは、30年までに世界で2兆ドル(約222兆円)に達すると推測されている。

    気温上昇に伴う死者数がどれほど増えるかは想像もつなかい。だが、私たちは少なくとも過去の過ちから学ぶことはできる。欧州は12年に03年を上回る酷暑に見舞われたが、政府が高齢者への対応などを改善したことから犠牲者数を抑えることができた。インド人は、豊かになるにつれエアコンを設置できる余裕ができるし、スラム街の住民でも、太陽光を反射させるためにトタン屋根を白く塗ることはできる。

    ただ、欧州の熱波から対策を学んだように、そもそも気候変動そのものを阻止することの重要性を世界が学び、対策を打てたらと願うばかりだ。

  • >>12007

    気候変動対策の政治的危うさ

    2017年、当時オーストラリアの財務相だったモリソン氏は、議会に石炭の塊を片手に登場し、化石燃料の重要性を理解すべきだと議員たちに訴えた。この時、オーストラリアの左派の多くは同氏の行動を笑い飛ばしたが、最後に笑ったのはモリソン氏だった。

    今年5月の総選挙で、モリソン氏率いる保守連合が予想を覆して勝利した。本人が奇跡と呼ぶほど意外な結果だった。そして同氏は6月末、首相として20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に参加した。

    オーストラリアのこの総選挙は、欧州や北米で気候変動対策を訴える人に、重要かつ注意すべき教訓を残した。つまり、気候変動対策としてあまり過激な政策を提案する政治家は、選挙でモリソン氏のような人に敗れるリスクが高い、という教訓だ。二酸化炭素(CO2)排出量の削減が国民の生活水準を低下させるわけではないと有権者に納得させられない限り、そのリスクは大きいということだ。

  • >>12007

    ■自分の生活に打撃となると反対する有権者

    欧米の気候変動対策推進派は、最近の異常気象によって根本的な対策を求める声が高まるはずだと考えがちかもしれない。フランスではつい先日、45.9度という観測史上最も高い気温を記録した。

    だがオーストラリアの選挙は、国民が異常気象や将来への不吉な予兆に不安を感じても、それがすぐ気候変動対策への多数派支持につながるとは限らないことを示唆している。特にその対策で増税になったり、中流生活に不可欠な要素である自家用車保有などが危うくなると感じられたりすると、選挙での支持は得られない。

    オーストラリアの18~19年の夏は観測史上、最も暑い夏だった。干ばつ、山火事、洪水に加え、マレー・ダーリング盆地では何十万匹も魚が死ぬなど、破滅的な自然現象に見舞われた。世論調査によれば、オーストラリア国民は現在、国の安全に対する最大の危険要因は気候変動だと考えている。だがモリソン氏と保守連合は今年の総選挙で、野党労働党は鼻持ちならない都市住民の党であり、彼らの提案を認めれば国民はピックアップトラックを運転することも、日曜に伝統の肉のオーブン料理も楽しめなくなると訴えて勝利を収めた。

    この戦略は成功した。10年以上前、オーストラリア労働党のラッド元首相は、気候変動は自分たちの時代が抱える大きな道徳的課題であり、「政治を越えた問題」として扱うべきだと宣言した。だが、オーストラリアの温暖化ガス排出量も化石燃料の輸出量も増え続けている。

  • >>12007

    ■仏の黄色いベスト運動も燃料税増税が引き金

    オーストラリアで繰り広げられたこの政治パターンは、今や欧米全土で再現されそうな状況だ。

    欧州では温暖化対策の促進を訴える草の根運動「エクスティンクション・レベリオン」がリベラル派をひきつけ、大きな運動としてのうねりを巻き起こしている。スウェーデンの16歳の環境保護活動家であるグレタ・トゥンベリ氏は、政治的にも名前を知られるようになり、最近では米国左派の新星、オカシオコルテス下院議員とも連携する。同議員は気候変動対策を政策の中心に掲げている。

    最近のある調査によると、米民主党支持派の間では、銃規制や医療保険よりも気候変動が最大の関心事だという。ドイツでは緑の党が躍進している。誰が見ても決して極左とは呼べない英国のメイ首相でさえ、退任を控えた最後のG20サミットで、地球温暖化に対してもっと迅速な対策を取るべきだと訴えた。

    欧米の人々のこうした意識から見て取れるのは、気候変動を政策の中心に据えることは、単に左派だけが倫理的になし遂げるべき問題だと考えているわけではないということだ。やり方によっては、政治的に成功をもたらす突破口にもなり得る。しかし、環境問題を政策の中心に据えると、有権者のとんでもない反発を招きかねないという危険な兆候もある。

    この数カ月間、フランスを揺るがした都市部の反政権デモ「黄色いベスト」は、政府が燃料税の引き上げを決定したことが引き金になった。マクロン大統領は、この増税が地球を救う戦いに必要な一歩だと考えた。だが黄色いベスト運動に参加した人々は、この決定をフランスの田舎や地方の小都市に暮らす人々の生活水準とライフスタイルに対する攻撃と受け取った。

    フランスでもオーストラリアと同様、移民問題に続き気候変動問題が、価値観の違いを巡る新たな衝突の火種として急速に表面化しつつある。都市部のリベラル派が変化の必要性を声高に訴えれば訴えるほど、国家主義的なポピュリスト(大衆迎合主義者)たちは、気候変動を巡って"エリート"を一層攻撃することで支持を伸ばそうとするだろう。

  • >>12007

    ■米民主党はグリーン・ニューディールで支持得られるかが決め手

    米国では、ゴア元副大統領のような気候変動対策推進派が長らく右派ポピュリストの格好の標的とされてきた。トランプ大統領は、問題を何でも2つの極論に分けて対立をあおり、かつ専門家の意見を軽蔑する。従って、気候変動問題が来年の大統領選挙の中心的な争点になれば大喜びするだろう。

    同氏は既に大統領として米国をパリ協定から離脱させた。次の選挙運動では、この争点を利用して「嘆かわしい人々」(編集注、16年の大統領選でクリントン候補がトランプ支持者を指して言った言葉)の力を早々に結集して、リベラル派のエリートたちを食い止めなければならないとあおるだろう。16年の大統領選でトランプ氏を勝利に導いたミシガン、オハイオ、ペンシルベニアなどの工業州は特に、気候変動対策が雇用を奪うという議論には強く影響を受けるだろう。

    米国の左派は、こうした非難が自分たちに向けられることを承知している。そのため、気候変動対策として「グリーン・ニューディール」政策を進めれば、一般国民の生活水準を高めることもできると主張することで経済論争の流れを変えようとしている。この政策は、巨額の連邦予算を投じて経済の脱炭素化を図ると同時に雇用を生み出すのが狙いだ。民主党のウォーレン、サンダース、ハリス各上院議員を含む大半の有力な大統領指名候補たちは、この政策を支持している。

    グリーン・ニューディール政策の経済効果は、よく言ってもまだ裏付けられていない。しかしこの考え方は、政治的には間違いなく賢明な作戦だ。次の米大統領選の結果は――そして今以上に根本的な気候変動対策への希望は――この政策が米国中西部の有権者の支持を引き寄せられるかどうかにかかっているのかもしれない。

  • >>12007

    世界で異常気象 仏46度、メキシコでは大量のひょう

    世界各地で異常気象の影響が広がっている。欧州では熱波による猛暑が深刻で、フランスでは過去最高の45.9度を記録した。メキシコでは蒸し暑い天気が一転して、激しいひょうが降った。豪雨は日本の九州地方だけでなく、中国やインドでも報告されており、洪水による死者も出ている。7~8月も異常気象は続く可能性があり、観光や経済に影響を及ぼしかねない。

    フランスでは6月28日、南部モンペリエ近郊で45.9度を記録した。AFP通信によると、これまでは2003年に同地域で記録した44.1度が最高だった。この時は約1万5000人が熱中症などで死亡した。ドイツやポーランド、チェコでも気温が40度近くまで上昇し、6月の最高気温を記録したという。

    欧州ではエアコンを設置していない一般家庭も多く、熱中症も報告されている。仏保健省は「生命に危険が及ぶレベル」だとして、日中の運動を控えるよう国民に注意を呼びかけた。

    欧州の6月は一般的に午後9~10時ごろまで明るく、さわやかな気候で一日を過ごすのにもっとも良い季節だ。極度の暑さによる観光客減を懸念する声も出ている。


    メキシコ中部ハリスコ州のグアダラハラでは6月30日、蒸し暑かった天候が一変し、大量のひょうが降った。1メートル以上積もった場所もあった。車庫や住宅の出入り口が埋まり、軍や警察が出動して除去にあたった。同地でこれほどのひょうが降るのは初めてだといい、当局も対応に苦慮している。

    インド第2の都市ムンバイでは、記録的な大雨による被害が広がった。建物の倒壊などで20人以上が死亡したという。現地メディアは今回の大雨が「過去数十年で最悪だ」という地元当局者の声を伝えている。電車やバスの運行停止や航空機の欠航も相次いだ。当局は自宅待機を呼びかけ、経済活動は当面は停滞しかねない状況だ。

  • >>12007

    異常気象は世界各地に広がっており、地球温暖化が影響しているとの指摘は多い。国際労働機関(ILO)は1日、温暖化が経済に与える影響などについての報告書を発表した。労働者はおおむね気温が35度を超えるとストレスを感じ、生産性が低下すると指摘した。

    報告書では、気候変動の経済損失は1995年に2800億ドル(約30兆円)だったが、2030年には2兆4000億ドルまで拡大するとの見通しも示した。

    6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)では、首脳宣言に気候変動などの地球環境問題に対応するため「エネルギー転換を促進し主導する緊急の必要性を認識する」との文言を盛り込んだ。

    国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は18年10月に発表した報告書で、30年にも世界の気温が産業革命前に比べて1.5度上昇すると警告した。ただ、温暖化対策では米国と欧州、先進国と途上国で意見が食い違っており、有効な対応策は打ち出せていないのが実情だ。各国がまとまらない状況で、今後も自然災害が拡大し続ける可能性もありそうだ。

  • >>12007

    国連のグテレス事務総長 「かなりの数の国が気候対策表明」

    国連のグテレス事務総長は20日、23日に開かれる気候行動サミットを前に日本経済新聞などの取材に応じた。「かなりの数の国が、(温暖化ガスの排出量を実質ゼロとする)カーボンニュートラルを2050年に達成すると表明するだろう」と述べた。各国から具体策を引き出すための調整を続ける。

    気候変動を巡っては、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が20年から本格運用となる。グテレス氏は各国に対し50年までのカーボンニュートラル実現の計画を持ち寄るよう求めている。

    欧州諸国は前向きな考えだが、水面下で調整を続けるなかグテレス氏は「(表明する国の数は)印象的な数字になると信じている」と話した。多くの国が政府として気候変動対策に貢献するために、従来より進んだ動きを表明するとの認識も示した。

    トランプ米政権はパリ協定からの脱退を表明し、気候変動対策に背を向けている。ただグテレス氏は「政府が前向きでなくても、産業界や州や市がますます活発に動いている」と述べた。

    私と経済 国連のグテレス事務総長 「かなりの数の国が気候対策表明」    国連のグテレス事務総長は20日、23

  • >>12007

    G20エネ環会合、薄氷の合意 パリ協定めぐり論争 2019/6/17 20:00

    長野県軽井沢町で16日まで開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合では、共同声明の採択が閉幕直前まで難航した。気候変動のテーマで、国際的な温暖化対策「パリ協定」をめぐる文言で各国の意見を集約できず、世耕弘成経済産業相は16日午前の2日目の会合冒頭で「現時点で合意が困難だ」と異例の発言をしていた。

    「議長国として非常に憂慮している。事務方はただちにこの会場を退席し、引き続き文言調整を進めていただきたい」。世耕氏は16日のエネルギー相会合の冒頭、議題に入る前にこう発言した。日本政府の関係者はこの時点で「現時点でとりまとめる自信はない」と吐露した。

    焦点になったのは気候変動についての共同声明で、パリ協定をどこまで書き込むかだった。米国はすでにパリ協定からの離脱を表明している。交渉にあたった経産省幹部は「米国の孤立を避ける表現を目指した」と明かす。

    ただ欧州連合(EU)の参加国は、パリ協定について強く言及するよう主張し続けた。関係者によると、EU側は主張が受け入れられない場合、気候変動以外の部分では大筋合意していた共同声明の書きぶりを変える姿勢をみせた。世耕氏は「1つの項目で合意できないからといって、大筋合意したものまで変えようとするのは厳にやめてほしい」と訴えた。

    最終局面では世耕氏や原田義昭環境相がEUの閣僚などと予定外の交渉に乗り出した。共同声明では米を名指しすることなく、パリ協定の参加国が「コミットメントの再確認に留意する」との表現を入れることで、最終的に採択にこぎつけた。

    温暖化対策についての各国の姿勢はそれぞれの政治情勢が絡む。一方で先進国を中心とする各国が足並みをそろえなければ実効性は保てない。16日の閣僚会合での一幕は、多国間の合意が必要な分野でのG20の議論の難しさを改めて浮き彫りにした。