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■米民主党はグリーン・ニューディールで支持得られるかが決め手

米国では、ゴア元副大統領のような気候変動対策推進派が長らく右派ポピュリストの格好の標的とされてきた。トランプ大統領は、問題を何でも2つの極論に分けて対立をあおり、かつ専門家の意見を軽蔑する。従って、気候変動問題が来年の大統領選挙の中心的な争点になれば大喜びするだろう。

同氏は既に大統領として米国をパリ協定から離脱させた。次の選挙運動では、この争点を利用して「嘆かわしい人々」(編集注、16年の大統領選でクリントン候補がトランプ支持者を指して言った言葉)の力を早々に結集して、リベラル派のエリートたちを食い止めなければならないとあおるだろう。16年の大統領選でトランプ氏を勝利に導いたミシガン、オハイオ、ペンシルベニアなどの工業州は特に、気候変動対策が雇用を奪うという議論には強く影響を受けるだろう。

米国の左派は、こうした非難が自分たちに向けられることを承知している。そのため、気候変動対策として「グリーン・ニューディール」政策を進めれば、一般国民の生活水準を高めることもできると主張することで経済論争の流れを変えようとしている。この政策は、巨額の連邦予算を投じて経済の脱炭素化を図ると同時に雇用を生み出すのが狙いだ。民主党のウォーレン、サンダース、ハリス各上院議員を含む大半の有力な大統領指名候補たちは、この政策を支持している。

グリーン・ニューディール政策の経済効果は、よく言ってもまだ裏付けられていない。しかしこの考え方は、政治的には間違いなく賢明な作戦だ。次の米大統領選の結果は――そして今以上に根本的な気候変動対策への希望は――この政策が米国中西部の有権者の支持を引き寄せられるかどうかにかかっているのかもしれない。