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■人為的活動が異常気象発生の一因

ただ、気温がいつどれほど上昇するかについては、気候学者の間で激しい議論となっている。特定の熱波や干ばつ、洪水を人為的汚染が原因と断定するのは難しい。異常気象は起きる。これまで観測された史上最高気温は、カリフォルニア州デスバレーの56.7度だ。ただ、それは1913年7月10日のことで、大気中の二酸化炭素の濃度は現在よりずっと低かった。

高度な統計学を駆使し、人間活動の影響を排除した気候の変化をコンピューターでシミュレーションし、実際の気候の変化と比べれば、特定の天候が発生する確率が人間によって高められたかどうかを推測することができる。初めてそれを試みたのがストット氏らによる2004年の研究で、それによると03年の欧州の酷暑は、人間活動により発生確率が2倍になったという。以来こうした研究は急増し、「イベント・アトリビューション」と呼ばれるようになった。気候変動関連の情報を載せるサイト「カーボン・ブリーフ」が1年前に調べたところ、この分野の論文は138本に上り、144件の天気事象を分析していた。そして、48回の熱波の41回に人間活動が影響したという。

その後も、多くの研究が進んでいる。オルデンボルフ氏とオックスフォード大学のフリーデリケ・オットー氏が運営するサイト「ワールド・ウェザー・アトリビューション」にはほぼ毎月、新たな研究が載る。過去の天候分析だけでなく、未来を予測する研究も多い。目立つのは、15年のパリ協定で掲げた目標に各国がどれだけ真剣に取り組むかで、異常気象の発生確率が今後どう変わるかというものだ。同協定は、産業革命前からの気温上昇幅を2度以内(できれば1.5度未満)に抑えるのが目標だ。