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猛暑に首都圏官民が対策 道路や牛舎の遮熱性高める

本格的な夏の到来を前に首都圏の行政機関や企業が猛暑への備えを強化する。道路に特殊な舗装をして少しでも暑さをやわらげたり、水害のリスクを事前に察知する新施策に着手したりする。今夏だけでなく、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた観客対応や、地域の観光集客につなげる動きもある。

国土交通省関東地方整備局は7月上旬から、埼玉県熊谷市を通る国道17号の路面温度上昇を抑える工事を始める。熊谷市は2018年7月に国内最高気温の41.1度を観測するなど、猛烈な暑さで知られる。9月から開くラグビーワールドカップ(W杯)の会場にもなるため、国内外からの来客に備えた暑さ対策の一環として取り組む。

同局は毎夏「熊谷うちわ祭」を開く熊谷市本町地区の道路約900メートルに遮熱材を塗る。通常のアスファルトに比べて路面温度を約10度抑えられるという。

遮熱材の塗装は東京都も19年度に都内数カ所で実施する。東京・渋谷の複合高層ビル「渋谷ストリーム」では東京急行電鉄と組んで、微細なミストを噴出する装置とともに導入する。

農業分野でも新たな暑さ対策が進む。千葉県は19年度から乳牛に冷感ウエアを着させたり、牛舎の屋根に遮熱材を取り付けたりする費用を助成するモデル事業を始めた。乳牛は暑さに弱く「夏場の生産量減少は千葉県の酪農の弱み」(滝川伸輔副知事)だという。猛暑でも乳牛が快適に過ごせる環境を整え、生乳を安定して生産できるようにする。

近年は暑さに伴うゲリラ豪雨も頻発し、都心部を中心に水害への対応も急務となる。地形的に水害リスクが高いとされる横浜駅西口でも、豪雨時の浸水対策が進む。横浜市は雨水が流れる下水道の水位を測定して、地下街からの早期避難に役立てる施策を20年度から始める予定だ。全国でも珍しい取り組みという。

雨水が通る水路や排水用のポンプ場の整備なども進める。将来は現在よりも3~4割多い82ミリの大雨を受け入れられる体制をめざす。

地域観光でも対策は進む。東武鉄道は埼玉県川越市と連携し、19日から川越の観光地で日傘の無料レンタルを始める。800本の日傘を用意し、東武の川越市駅や観光案内所、商店街の店舗をはじめ約30カ所で貸し出しと返却に応じる。東武は「暑さの中でも快適に川越散策を楽しんでもらう」と説明している。