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■深刻なのは湿球温度の上昇、死者も増える

だが、こうした研究結果が示す未来は明るくない。メルボルン大学のアンドリュー・キング氏らが6月に発表した研究は、1880年代からの1度の気温上昇に加え、さらに約0.5度上昇した場合、欧州各地で最高気温の更新を経験する人は、現在の4500万人から9000万人に倍増するという。もし0.5度ではなく1度上昇すればその数は、1億6300万人に増えるという。

ここに湿度という要因を加えて分析した研究結果を目にすると、不安はさらに高まる。人間は、汗をかくことで熱に耐えることができる。汗が蒸発することで肌を冷やすからだ。だからカラッとした気候の50度の方が、蒸し暑い30度よりも不快感は低い。湿球温度(湿ったタオルで包んだ温度計で測定された温度)が35度を超えると、日陰で扇風機の隣に裸で横たわっている健康な若者でも、6時間以内に死亡する可能性がある。

今のところ、湿球温度が31度を超えることはめったにない。ロヨラ・メリーマウント大学のジェレミー・パル氏とマサチューセッツ工科大学のエルファティ・エルタヒール氏は16年、二酸化炭素の排出量を削減できなければ、アブダビやドバイなど一部のペルシャ湾の都市では、今世紀末までに湿球温度が35度を超える可能性があると予測した。これに関連した別の研究では、2100年までに南アジアの一部でも、25年に1度は湿球温度が34.2度に達する可能性があるという。それらの国々は、アブダビなどの首長国よりもはるかに人口が多くて貧しい。