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G20エネ環会合、薄氷の合意 パリ協定めぐり論争 2019/6/17 20:00

長野県軽井沢町で16日まで開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合では、共同声明の採択が閉幕直前まで難航した。気候変動のテーマで、国際的な温暖化対策「パリ協定」をめぐる文言で各国の意見を集約できず、世耕弘成経済産業相は16日午前の2日目の会合冒頭で「現時点で合意が困難だ」と異例の発言をしていた。

「議長国として非常に憂慮している。事務方はただちにこの会場を退席し、引き続き文言調整を進めていただきたい」。世耕氏は16日のエネルギー相会合の冒頭、議題に入る前にこう発言した。日本政府の関係者はこの時点で「現時点でとりまとめる自信はない」と吐露した。

焦点になったのは気候変動についての共同声明で、パリ協定をどこまで書き込むかだった。米国はすでにパリ協定からの離脱を表明している。交渉にあたった経産省幹部は「米国の孤立を避ける表現を目指した」と明かす。

ただ欧州連合(EU)の参加国は、パリ協定について強く言及するよう主張し続けた。関係者によると、EU側は主張が受け入れられない場合、気候変動以外の部分では大筋合意していた共同声明の書きぶりを変える姿勢をみせた。世耕氏は「1つの項目で合意できないからといって、大筋合意したものまで変えようとするのは厳にやめてほしい」と訴えた。

最終局面では世耕氏や原田義昭環境相がEUの閣僚などと予定外の交渉に乗り出した。共同声明では米を名指しすることなく、パリ協定の参加国が「コミットメントの再確認に留意する」との表現を入れることで、最終的に採択にこぎつけた。

温暖化対策についての各国の姿勢はそれぞれの政治情勢が絡む。一方で先進国を中心とする各国が足並みをそろえなければ実効性は保てない。16日の閣僚会合での一幕は、多国間の合意が必要な分野でのG20の議論の難しさを改めて浮き彫りにした。