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アンジェス(株)【4563】の掲示板 2021/10/01

新型コロナウイルス治療薬「AV-001」は、中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者向け治療薬として、アンジェスがカナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と共同開発を進めているものです。「AV-001」はもともと2018年より、全世界を対象に、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品として共同開発を実施してきたものですが、新型コロナウイルス感染症における、中等度から重度のCOVID-19肺炎患者の治療薬としても有効であることから、2020年より米国で臨床試験を開始したものです。

新型コロナウイルス感染症による中等度から重度の肺炎肺炎患者は、ウイルスの影響でTie2受容体の働きが抑制されることにより肺の血管機能が壊れ、肺胞に浸出液が入り込むことで肺炎を発症します。「AV-001」はTie2受容体の働きを活性化させる効果があり、これによって血管機能が正常化し、肺胞に浸出液が入り込まなくなることで、炎症を沈静化させるメカニズムがあります。急性肺炎による呼吸不全が新型コロナウイルス感染症患者の死亡原因の一つとなっており、「AV-001」の開発に成功すれば死亡率の低減につながるものと期待されます。

開発状況については、米国で実施していた第1相臨床試験で、安全性と忍容性についての良好な結果が得られたことを2021年3月にVasomuneが発表していますが、アンジェスも8月11日に開催した機関投資家およびアナリストの方々向けに決算説明会の速報レポートで、「現在FDAと協議をしている第II相臨床試験のプロトコルが、近々完成する予定です。第I相では健常者を対象にしていましたが、第II相は、中等症の患者さんが対象になります。準備が整い次第、改めてご報告いたします」と答えています。

本日10月1日に開始となった株主向けオンライン会社説明会の中で、コロナウイルス治療薬「AV-001」の開発状況について、山田社長からは取り組みが遅れているのではなく、第II相は、中等症の患者さんが対象にすることから、「AV-001」については緊急使用許可を得ることも念頭に置いたFDAとの折衝という説明があったと思います。大いに期待したいと思います。