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(株)ジーエヌアイグループ【2160】の掲示板 2021/07/31〜2021/08/02

ジーエヌアイグループ(1586円、前週比-17.1%)

 7月30日に、1586円(前日比-16.5%)を付けた。29日の市場取引終了後に、同社が中国で肝線維症治療薬として開発を進めているF351(ヒドロニドン)について、中国における第3相臨床試験の開始について、当局から認可が下りたことが発表された。
2021年第3四半期中に開始され、248人の被験者を対象に、約3年間の試験期間が計画されているといった内容だ。試験開始というマイルストーンが達成され、通常ならポジティブなIRとなるが、急落を招いたのはなぜか。

それは早期承認の可能性がほぼ無くなった、と見た投資家が多かったためだろう。
同社は2020年8月にF351で第2相臨床試験の好結果を確認し、その時点では中国での早期承認制度を活用した条件付き早期承認の可能性を考えていた。
2020年10月時点のリリースでも、当局との議題として「エンド・ステージ(肝硬変)の患者へのF351の先行投与の可能性および使用条件の検討」が挙がっていた。しかし、中国当局との協議の結果、第3相臨床試験の実施を求められ、さらに早期承認に関する文言が発表されなくなったことで、投資家はその可能性が低いことを認識していった。そこへ、今回第3相の試験開始がアナウンスされ、早期承認の可能性に対する言及も無かったことから、早期承認は無いと確信した投資家が売りを仕掛け、急落に至ったと考えられる。
早期承認による急騰を狙っていた層には残念な結果となったが、今回明らかになったF351の第3相試験は、患者数が肝線維症としては少ない。
900人規模の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)向けの第3相試験が実施された米Intercept社のオベチコール酸に比べると、【⭐️】負担は随分と軽い。
また主要評価項目もIshankスコアIの低下割合で、F351の第2相と同じデザインが踏襲されており、【⭐️】有利な条件といえるだろう。
市場関係者からは、「同社は3年間試験をきっちりやり切って、正式な形で承認を得ることに力を注ぐ方針だろう」との声が聞こえてくる。
短期的な動きの少ない株式に興味が無い層は去り、長期ホルダーが増えていく格好となれば、バイオ株として好ましい形となる。
今回の急落は、株価の足場を固めるターニングポイントになるかもしれない。

日経バイオテク