ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

アンジェス(株)【4563】の掲示板 2017/06/21

■ バイオ銘柄では従来指標の有効性に限界

 また、一般的な投資指標として、予想一株利益で株価を割った予想PERが重宝される。しかし、バイオベンチャーは前述の通り赤字企業が
多く、利回りと同様に有効な指標ではない。アンジェスMGの様に、ベンチャー企業は将来性を評価して株価が短期で急速に上昇する。
このため、他のセクターとの比較では予想PERが相対的に高くなり、同指標ではレーティングが軒並み「売り」となってしまう。

 高PER銘柄は将来の成長が評価されている人気銘柄だ。高すぎるPERの銘柄は、株価と利益の水準が乖離していることになり、リスクが
大きいことも事実である。医薬品やバイオベンチャー分野には高PER銘柄が多い。しかし、これは新薬などの開発品目の評価によるためだ。
このため、単純に「高PERが割高である」とは言い難い。

 また、PERに並ぶ株式指標に、PBR(株価純資産倍率)がある。PBRは一株当たりの純資産で株価を割るというもの。しかし、バイオベン
チャーなどは大学の研究者等が設立したものも多く、資産は皆無というケースも多い。こちらも、バイオベンチャーにおいては有効な指標とは
言いにくいだろう。

 では、バイオベンチャーの評価はどのようにすればいいのだろうか?  このセクターでは、従来型の指標ではなく独自のアプローチが必要と
なる。アナリストが用いる主要な方法は2つだ。一つは開発中の医薬品の価値を定量化する方法。開発中の新薬を既存薬と比較し製品価値を
試算、開発レベルに応じてディスカウントする手法だ。鉱山会社などの価値を埋蔵資源の価値で評価する手法に近い。

 もう一つは将来の利益やキャッシュフローを予想し、現在価値に調整する方法である。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法と呼ばれ、
将来発生する家賃収入の合計により不動産価値を求めようという考え方と同様の発想だ。同手法を用いれば、今後3期程度赤字が続くとの
予想もあるアンジェスMGであっても、遺伝子治療薬「ベペルミノゲン」による長期的な利益の計上を見込んだ場合、投資判断が「買い」となる
こともあるわけだ。