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オンコリスバイオファーマ(株)【4588】の掲示板 2019/07/10〜2019/07/11

(つづき)
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 がんに抗がん剤への耐性が生じて効かなくなってくる現象は困ったものだが、いったいどの遺伝子の仕業だろうか? この研究がいま重要だ。

 オンコリスバイオファーマ社が開発した「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤」である強力な抗がん剤 OBP-801 がある。
 北里大学病院外科の原田らのチームは、この OBP-801 を活用することで、その問題を解明に近づけた。

 用意した36種のヒト癌株化細胞それぞれに OBP-801 を使ったところ、濃さに応じて効果を発揮し、36種すべてでがん細胞数が減った。

 1チップ上に並べた通常数万から数十万の微小物質との相互作用を一括して調べられる「マイクロアレイ解析」という方法がある。
 これを使って、OBP-801 が効かなくなるときに発現している遺伝子は何かを探した。
 そして、ΔNp63(Δはデルタと読む) と SOX2 の2個がそれであると突き止めた。

 OBP-801 があまり効かない株を、
「ビダーザ」というDNAメチル基転移酵素阻害剤と、
「トリコスタチンA」という抗真菌抗生物質
で処理してみたところ、この ΔNp63 と SOX2 の働きを強く抑制できた。
 したがって、これらはエピジェネティック(いわゆるDNAスイッチ的)な制御を受けている、ということが証明できた。

 あわせて、ΔNp63,SOX2遺伝子を導入するとOBP-801が効かなくなってくる、ということも確認した.

 さらに、今度はOBP-801から離れて、北里大学病院の食道癌手術症例 112例のがん組織と正常粘膜を用いて、遺伝子増幅を測定した。
 すると、両遺伝子とも増幅していた症例が15%もあった。
 片方のみ増幅していた症例も多く、実際にこれらの遺伝子の発現との強い相関が判明した。

 履歴を調べると、化学療法(NAC)が行われていた症例の方が、遺伝子増幅の頻度が高かった。
 これはつまり、化学療法のせいで耐性がついたことを示唆している。

 (解説文:com*****)(間違いがありましたらお知らせください)