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尿からiPS作製、リプロセル、患者負担少なく。
2016/07/26 日経産業新聞 9ページ
 バイオベンチャーのリプロセルは、尿の検体から研究用のiPS細胞を作製するサービスを新たに開始する。従来は患者の血液や皮膚から作製していたが、検体の入手が容易な尿に含まれる細胞を使うことで、より手軽に作製することが可能になる。大学や研究機関、製薬企業などを対象に売り込む。
 リプロセルの米国子会社であるステムジェント社が開発したiPS細胞作製方法を活用する。この方法は、RNA(リボ核酸)を直接、患者の細胞に導入することでたんぱく質の生産を調節する仕組み。
 iPS細胞を作製するには通常、患者に侵襲を加えて皮膚や血液を採取する必要があるため、負担がかかる。今回の方法は、使用するRNAの構造と添加剤を工夫することで、従来は難しかった尿中の細胞にRNAを導入することが可能になった。
 加えて、iPS細胞の作製効率もアップしている。リプロセルの従来の方法では、皮膚細胞から1%程度の細胞しかiPS細胞にできなかったのが、2~4%ほどになった。また作製期間についても、血液から作成する場合、従来は約1カ月かかっていたのが、2週間程度に短縮できたという。
 なお、iPS細胞を作製する方法には、RNA以外にも、ウイルスやDNAを利用する方法などがあるが、RNAを使う方法は遺伝子の組み換えが起きず、ウイルスも細胞内に残らないため、他より操作性や安全性が高いとされている。
 リプロセルは「研究用だけでなく、人体への応用も可能」(経営管理部)としており、今回のサービスを再生医療事業にも応用していきたい考えだ。