IDでもっと便利に新規取得

ログイン


ここから本文です

新型コロナDNAワクチンの開発については、2021年8月より高用量製剤での
第1/2相臨床試験に取り組んできましたが、接種については昨年11月に完了しています。この臨床試験では、筋肉接種と皮内接種の2つのパターンの治験が行われてきましたが、皮内接種についてはダイセル社の無針デバイスのアクトランザラボが活用されています。

このアクトランザラボの開発は、大阪大学大学の中神啓徳教授(健康発達医学)と山下邦彦特任准教授(先進デバイス分子治療学)らの研究グループが、ダイセル社と協力して進め、医療器具として特許を取得しているものです。そして、2020年11月から大阪大学医学部附属病院での医師主導の治験を経て、アンジェスの企業治験として取り組まれている高用量製剤の第1/2相臨床試験の中で、皮内接種が取り組まれているのです。

このアクトランザラボを活用した皮内接種の場合、従来の筋肉内投与に比べて少量のDNAワクチンでより高い効果を得ることが確認されています。その理由はダイセル社が新規無針投与デバイスの特許申請書を行う際に、開発に至る背景説明でも述べられていますが、要約すると次のように記述されています。

「無針注射器等を介して薬剤を生体内に注射する場合、特に注目されるのは、薬剤を皮膚内のランゲルハンス細胞に投与できる能力である。ランゲルハンス細胞は、皮膚の上側有棘層に通常に存在する樹状細胞である。これらの細胞は、皮膚の免疫応答に関与し、且つ皮膚からリンパ節へ移動することがわかっており、マクロファージに共通の受容体を有し、T及びBリンパ球に対する抗原提示細胞として機能する。このランゲルハンス細胞は皮下の比較的浅い部位に存在することから、注射液を生体内部に直接運ぶ注射針を有していない無針注射器においては、ランゲルハンス細胞への注射液投与を効率的に行うことは、非常に有効である」と。

DNAワクチンは世界保健機関(WHO)でも、パンデミック感染症に迅速に対応できるワクチンの一つとして評価されていますが、細胞内に効率よく核酸を送達させることが一つの課題となっており、新規無針投与デバイスを用いることで、より効果的なワクチンの実現を図ることが可能になります。
無針デバイスを活用した皮内接種で、良いデータが得られれば薬剤コストの低減にもつながるので、期待が高まると思います。