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(株)ヘリオス【4593】の掲示板 2020/11/28〜2021/01/04

宇宙ビジネスの水先案内人、野口さんは何するの?-編集委員 小玉祥司
2020/12/03 02:00 日経速報ニュース

 民間の有人宇宙船「クルードラゴン」に搭乗した日本人宇宙飛行士の野口聡一さんが11月17日(日本時間)、国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。約半年の滞在中に、iPS細胞を使った臓器の再生など宇宙を利用した様々な実験を行う予定だ。将来の宇宙ビジネスにつながる実証実験もあり、商業利用への一歩としても期待されている。
 クルードラゴンは、電気自動車を製造するテスラの創業者として有名なイーロン・マスクさんが立ち上げた宇宙ベンチャーのスペースXが開発した。今年5月に宇宙飛行士2人を乗せた最終試験に成功、民間企業が開発した初めての有人宇宙船として注目された。今回は正式運用の1回目で、野口さんは米航空宇宙局(NASA)の3人の宇宙飛行士とともに宇宙飛行に臨んだ。
 野口さんが宇宙に行くのは10年ぶり3回目。1回目は米スペースシャトルに搭乗、2回目はロシアのソユーズ宇宙船でISSを往復し、今回の飛行はクルードラゴンと毎回違う宇宙船に乗る貴重な経験をした。
 ISSに滞在する間、野口さんは無重力状態のような宇宙に特有の条件を利用した様々な実験を行う。ISSに設けられた日本の実験棟「きぼう」を使った実験も多く、なかでも注目度が高いものの1つがiPS細胞を使って臓器を再生する技術を開発するための実験だ。
 iPS細胞からは人間の様々な種類の細胞を作ることができ、細胞を育てて作った皮膚や臓器などを移植して病気やけがを治療する再生医療に役立つと期待されている。ただ臓器などを治療しようとすると、人間の体の中にあるのと同じように立体的になるよう育てる必要がある。宇宙の無重力状態ならば地球上よりも立体的に育てやすいと考えられ、宇宙での実験データをもとに地球上でも立体的に育てられる技術を開発しようという狙いだ。
 具体的にはまず地上で人間のiPS細胞から肝臓や血管に育つ細胞を作って容器に封じ込める。この容器を宇宙へ打ち上げて、ISSのきぼうに設置されている装置を使って容器の中の細胞を育てる。血管の周りに肝臓の細胞が集まって育っているかを確認し、地球上との違いも調べる。宇宙でのデータをもとにiPS細胞から人間の臓器を作る技術開発を進めるとともに、臓器を育てる装置の開発などにも役立てる。
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次の次のステージも着々と進められています。