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サンバイオ(株)【4592】の掲示板 2019/02/11


北海道大学の瀬谷司客員教授と松本美佐子客員教授は、ヘルパーT細胞に働きかけて、がんへの攻撃力を高める物質を合成した。ヘルパーT細胞がキラーT細胞に命令を盛んに送り、がん細胞めがけて集中攻撃する。
がん免疫薬を組み合わせ、人のがんを移植したマウスに投与した。皮膚がんや白血病、悪性リンパ腫で試すと、15日たったときのがんの大きさは、がん免疫薬だけ使った場合の半分になった。製薬企業に協力を打診しており、数年後の臨床試験(治験)を目指す。
熊本大学の押海裕之教授と塚本博丈講師らの技術は、がん細胞への攻撃を邪魔する「インターロイキン6」を消す。この物質はヘルパーT細胞に標的をウイルスなど他の病原体に仕向けさせる。その働きをつぶしてがんに攻撃を集める。がん免疫薬と併用するとマウスの皮膚がんは26日後に半分に縮小した。数年後の治験を目指す。
熊大の諸石寿朗准教授らは、がん細胞が免疫の監視を逃れるのを防ぐ技術を開発した。攻撃の目印を隠す働きをする「LATS1」と「LATS2」の2つの遺伝子を見つけた。これらを働かないようにしたがんをマウスに移植したところ、2カ月後も生き残った。
従来のがんの治療は手術、抗がん剤、放射線だった。手術では見えない病巣は除ききれず、がんと戦うリンパ節まで取るため免疫力が落ちる。抗がん剤や放射線でもがん細胞をすべて殺すことは難しかった。がん免疫薬なら効く患者ではがん細胞をすべて取り除くことができる可能性がある。
がん免疫薬は「第4の治療法」と呼ばれるまでになったが、がん治療に使えそうな未知の免疫の働きはまだ残っている。こうした働きを突き止めて制御できるようになれば、がん治療を変える潜在力を秘める