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シンバイオ製薬(株)【4582】の掲示板 2016/05/24〜2016/05/26

まず私の考えを述べる前に…。

■アンジェスの事例
実は私はアンジェスのホルダーでもあって、アンジェスの動向も見ています。ここにもアンジェスホルダーの人はいると思いますが、そこでの象徴的な話から始めます。

アンジェスは年初からすでに資金不足で4-5月には資金が尽きるだろう、そこまでには増資しなければ会社は終わりだろうと言われていました。すでに引き受けてくれるファンドなどもほとんどなく、「最後の駆け込み寺」と言われる三田証券に頼んで増資を行いました。28億円640万株に及ぶ新株発行でした。
この新株は「三田爆弾」と呼ばれ、市場の株価を引き下げる恐怖とともに語られていました。そして4/11より三田爆弾が市場に投下されました。そして株価は連日大きく下落。三田の行使状況が毎日HPにアップされました。

ところが…三田爆弾3日を終えたことを知らせるIRが出たとき、状況が一変します。三田爆弾640万株のほとんどを3日間で行使し終えたことが判明。これ以上、強い売り圧がかからないこと、そしてアンジェスが増資に成功したということが把握された翌日、アンジェス株はS高を記録しました。

「適切に提供された情報が、適切に市場を形成していく」というのを目の当たりにした出来事でした。

■シンバイオの前提
2016年4月6日
転換社債と新株予約権をウィズパートナーズに割当てる形で実施することが発表された。この時、増資の合計額は約39億円で、この金額の根拠については「(新薬の)候補品の導入又は候補品保有企業の買収に係る費用、及びその後の開発費用について現時点での見積もり額を基に算出」とあった。

また資金の使途について「①:新薬候補品保有企業の買収及び買収後の新薬候補品の開発に係る費用」「②:①の交渉が買収ではなく新薬候補品の権利取得となった場合、その権利取得及び権利取得後の新薬開発候補品の開発に係る費用」「③:①及び②の交渉が成立しなかった場合、SyB P-1501 及びSyB C-1101 の高リスク MDS(アザシチジンとの併用)の開発に係る費用」とされた。

2016年4月22日
ウィズパートナーズより転換社債30億円+新株予約権 約1000万円が入金された。
またここまでに10億円分の未行使が残っていたOak割当て新株予約権のうち、6.8億円分が行使され入金された。

2016年5月10日
1Q(1-3月)決算発表、同時に「7/15 臨時株主総会」が告知された。ただし議題は未発表。
この日以降、伏せられた議題について様々な憶測が出るが、4/6に発表された「新薬候補or保有企業の買収」が最も有力視されるようになる。

2016年5月11日
アメリカに100%子会社設立が発表される。
これを受けてこの子会社も議題に関連するものとして期待されるようになる。だが実際にはこの子会社の代表者はおろか業務体系における役割や組織図についても詳細は現在に至っても発表されていない。
これ以降、5/31の株主名簿〆切までに議題が発表されるとのIR担当からの情報を受け、議題発表の日を心待ちにしながら、増資39億円の明確な使途についての発表が期待されるようになる。

2016年5月19日
ウィズパートナーズが正式に筆頭株主になったことが発表。
実際には前日の18日には大量保有報告書が提出されており、市場ではウィズ筆頭は既知の事実。またいずれ筆頭になることについては4/6増資IRの中にも明記されていた。

2016年5月20日
前日のウィズ筆頭IRや、5/31の株主名簿〆切へ実質1週間となることから議題の発表が期待されたこともあり、連日続落していた株価がこの日、大幅反発。一時344円、終値330(+51)を記録した。
だが後場終了直後、「臨時株主総会中止」が発表された。

これはマスコミに「異例の中止」と大きく取り上げられ、翌週から再び株価は続落。
臨時株主総会中止の理由については「議題の確定が遅延している」ためとされた。またIR担当より今回の件は延期であり、今後再度開催に向けた手続きが取られる旨、複数の人たちが確認している。

結果的に現時点まで「議題」については内容が伏せられたまま、憶測が飛び交う。

■この状況について
適切な情報を提供しないことが、市場の関係者や株主を混乱に追い込んでおり、さまざまな憶測を呼んでいる。既存の株主たちは不安の中、株価は下落。
さらに4/6IRに示されていた内容とはいえ、「1Q決算の悪さ」に「臨時株主総会」「議題不明」という状況で下落を続けた株価に対して、あろうことか「筆頭株主」が「社長の株」で売り浴びせていることが判明。明らかに時期として適切でないことは明らかで、株価下落の責任のある者がさらに下落に拍車をかけている。
しかも理由は「ヘッジ」であるということは、「財産保全を目的」として「他の大多数の株主を犠牲にして」「下落相場に拍車をかける形で売却を実施」しているという信じがたい状況。多くの株主の信頼を損なっている。
その上で市場の期待を大きく裏切る形で「臨時株主総会中止」を発表したことで、一時持ち直した株価を再び叩き落とし、その後の事情説明も状況説明も、株主や市場に対するフォローも一切ないまま現在に至る。

(続きます)

  • >>901

    (続き)
    昨日、会社のこれまでの姿勢に対して厳しいことを書いた。だが、決して愚かでないはずの経営者たちが理由もなくこのような事態を引き起こすだろうかと疑問を持ち、見落としがないか考えを巡らしていた。やむを得ずやっていることがあるとしたら、多くの場合法律上の定めや制度の問題であり得ると考え、新株や転換社債についての弁護士や関係省庁の文書などを調べていくうちに、ひとつのことに行き当たる。

    846の書き込みがその根拠となるもの。

    指摘している人もいるが、4/6増資IRにおいて、新株転換価額として「211円」という価格が設定されているが、これについては「取締役会決議日の前営業日(平成 28 年4月5日)の東京証券取引所における当社普通株式の終値」が価額設定の根拠となっている。
    しかし同時に調べていたストックオプションの項で「権利行使価額と市場価格が大きくかい離している場合、差額が経費として利益より差し引かれる」という記述に着目(ストックオプションも新株予約権のひとつ)。すなわち行使価額自体は新株予約権発行を決める際に設定するものであるのだが、新株予約権を行使(株に転換)する時、市場の株価が転換価額よりも著しく高い場合、会社は普通に市場に売れば得られるはずのお金を、新株予約権の価額で売ることで得られなくなることから、この差額を経費とみなすというもの。

    また上記のような新株発行を「有利発行」といい、会社法に基づき「株主総会の特別決議が必要」とされ、もし株主総会の特別決議を経ない場合は、他の既存株主は「(新株の)発行差し止めを請求できる」。すなわち、現在ウィズパートナーズが保有する新株予約権の発行価額は@211円。これが非有利発行となるためには110%以下であるから@232円以下でなければならない。

    だがこの「@232円」について「いつの?」という問題が残る。株価は1日の中でも大きく変動し、その基準の取り方次第ではいくらでも価格は上下動する。そこで例としてあり得るのはシンバイオの4/6増資IRの中に書かれている基準として「過去6か月平均・3か月平均・1か月平均」というものがある。

    [算出基準:2016年5月20日(臨時株主総会中止の日)端数切捨て]
    6ヵ月平均:235円 3ヵ月平均:270円 1ヵ月平均:355円

    [参考:2016年4月6日増資IRの時の平均]
    6ヵ月平均:205円 3ヵ月平均:202円 1ヵ月平均:216円

    4/6増資IRの3日後の4/9よりシンバイオ株は株価が上昇、最高値564円を頂点として平均値が大きく上昇している。このことが「臨時株主総会の議決に付すべき事案が発生した」ということではないか、と推測。つまり6・3・1ヵ月のどの平均をとっても「非有利発行価額:@232」を下回ることができないから、ということ。

    ではなぜ「臨時株主総会」を中止にしたのか。
    それは当初は「軽く」考えていて、単なる手続き的な議題であるのだからと社内で議題を重視していなかったのではないか、と推測。しかし市場の反応は異なり、4/6増資IRに示された39億円の使途が株価に寄与するものと期待され、議題に関する適切な情報が提供されていなかったために「期待」が先行。5/20近くになってようやく事態を把握しはじめ、このままでは大きく市場の期待を損なうことになると判断して、中止したのではないか。

    だが…一方でウィズパートナーズについて…確かに4/6段階で直近1ヵ月の株価を見ると、@211円を下回る日が5日間ある。その意味では@211円を下回るリスクについて、転換社債は最初に30億円入金しなければならない上に、金利が0%であるからヘッジすべき理由はあった。しかし…4/9以降、上昇した株価によって@211円は「リスクのある取得価格」とは言えない状況になっている。にもかかわらず、下落する株価に拍車をかける売り浴びせをしている点は非常に重大な意味を持つ。

    それはこの臨時株主総会の議題が「ウィズパートナーズへの有利発行を認めるか?」というものであった場合、既存の株主に株価下落により少なからず損失を負わせておきながら、「さらにウィズが得する議案に賛同せよ」ということになるからだ。

    この場合、普通の株主なら…既存の株主に団結を呼びかけ、ウィズへの新株発行差し止めの動議を発議し、経営陣の経営責任を問う公開質問状を突き付け、メディアにニュースリリースを行う…くらいのことは考えるだろう。

    だが…ここから株価が例えば年初来最安値の10倍「1,680円」くらいまで上昇するなら、たとえ誰がどう呼びかけようと既存の株主はそれほど不満は持つまい、と思う。

    =====================
    以上はあくまで私の推論に過ぎません。
    事実は会社からの正式な発表を待ち、各自自己責任で行動してください。

  • >>901

    素晴らしいレポートありがとうございました。細部にわたって矛盾がない内容で感服します。

    非有利発行価額(232円)以下での行使は諦めて何かIR等で株価を上げる方向にもっていき、
    既存株主が納得レベルの株価になった際に再び臨時株主総会のアナウンスをするというように私は理解しました。