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アンジェス(株)【4563】の掲示板 2022/04/26〜2022/04/28

高血圧DNAワクチンは、大阪大学の臨床遺伝子治療学の健康発達医学グループの中神啓徳教授らが中心となって、研究・開発が進められてきたものです。このワクチンは、血管を収縮させ血圧上昇作用のあるアンジオテンシンⅡに対する抗体を産生させて、その働きを抑制することで長期間安定した降圧作用を発揮するワクチンです。

高血圧DNAワクチンは、2018年4月にオーストラリアで第1相/前期第Ⅱ相臨床試験が開始され、2020年3月にすべての患者への投与を完了しています。この試験結果についは、2021年10月15日~17日に沖縄コンベンションセンターで開催された第43回日本高血圧学会総会で治験結果が報告されています。また、日本高血圧学会の学会誌に10月17日付けで論文としても掲載されています

◆日本高血圧学会の学会誌に掲載された論文の要旨

我々は、アンジオテンシンⅡワクチン(AGMG0201)の安全性、忍容性、および免疫学的応答を調査するために、プラセボ対照用量漸増試験を実施した。AGMG0201は、18〜79歳の軽度から中等度の高血圧の参加者に投与された。12人の患者がそれぞれ低用量群および高用量群に登録された。各群内で、被験者は、活性治験薬またはプラセボのいずれかを3:1の比率で投与するように無作為に割り付けられた。各参加者は、1回の筋肉内注射を受け、続いて30日後に2回目の注射を受け、2回目の投与後360日間モニターした。その結果、ほとんどの治療関連有害事象は、注射部位での疼痛および紅斑を含む重症度において軽度または中等度に分類されることが示された。抗アンジオテンシンⅡ抗体は、AGMG0201患者、特に高用量群において観察された。全体として、AGMG0201は忍容性が良好であった。

現在、高血圧の治療においては多くの経口医薬品が使用されていますが、これらの薬は毎日忘れずに服用する必要があるのに対し、高血圧DNAワクチンは一度の投与で長期間にわたって効果が持続することが期待されていることから、特に服用の難しい高齢の方を中心に患者さんの利便性は大幅に向上します。
なお、基礎研究においては高血圧DNAワクチンが心筋梗塞による心機能障害や虚血性脳疾患の治療にも有効であることが示唆されているので、次の臨床試験の開始と合わせて、開発に期待したいと思います。