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エーザイ(株)【4523】の掲示板 2021/11/21〜2021/12/20

>>16

現在、我が国の医療の現場で処方されている認知症の薬で、最も役に立っているアリセプトでさえ、効果を感じるのは3人にひとり程度です。と言って、その有効性は、言動の活発化であり、記憶力の回復ではありません。あとのふたりは服薬を続けても、変わらないか、悪化していきます。このような乏しい効果であっても、当時の厚労省は承認しており、他社の認知症薬はアリセプトの足元にも及びません。残念ながら、これが現在の認知症治療の現状です。

さて、この度のアデュカヌマブは「脳の神経細胞がアミロイドβ蛋白で著しく傷害される前のMCI(軽度認知障害)の治療薬」として、薬のはたらく仕組みは画期的です。アルツハイマー病を引き起こすアミロイドβ蛋白を溶かす働きは治験で薬理学的に明確に示され、諮問委員会もその点に関しては、異議を誰ひとり唱えておりませんでした。従来の認知症薬のような対症療法でなく、原因へのアプローチが行われます。治療効果としてアルツハイマー病の発症を20%遅らせるとの所見も、上記の効果と見比べれば、極めて優れていると評価できます。

薬価は高額です。高齢社会では治療を求める人は多く、保険医療費はおおきく膨らむのは間違いありません。しかしアルツハイマー病を発症する人が減れば、現在でさえ膨大な介護等の費用は今後著しく増えることがなくなることでしょう。すなわち医療費は増えても、介護費の伸びは抑えられるとの見方です。しかも本人はアルツハイマー病に陥らずにすみ、充実した老後を送れます。家族も介護の負担から逃れられます。高齢者が生き生きとした人生を送れる社会となります。