ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)PKSHA Technology【3993】の掲示板 2022/01/12〜2022/01/31

PKSHATech<3993> 上場から4年、PKSHAが「業態の進化」に自信を深めるワケ(中)
四季報速報

■増収ペースに対して利益成長が見劣りする要因

 もっとも、毎期しっかりと黒字を出している点は高く評価できる反面、売上高の伸びに対する利益の伸びが物足りなくも見える。これにはいくつか理由があるが、最も大きいのがM&Aの影響だ。

 2019年7月に駐車場機器の製造販売事業アイドラ(現アイテック)を、2021年には5月に業務自動化ソフトのアシリレラ、6月に企業向けFAQ(頻繁にある質問と回答)システムのPRAZNA(プラズナ。オウケイウェイヴの法人向け部門)の買収を行った。買収分が売上高に上乗せとなる一方、のれん償却費が圧迫するため、営業利益の伸び悩みにつながっている。

 また、アイテックはカメラを使った駐車場の運営システムなどを販売して初期費用と月額料金で稼ぐビジネスモデルで、現時点では純粋なソフトビジネスよりも利益率は見劣りする。顧客となる駐車場運営事業者がコロナ禍で投資を抑制したため、アイテックの業績全体が低調に終わったことも影響している。

 とはいえ、会社側には営業利益が伸び悩んでいるという意識も、それが問題であるという意識もない。

「さすがにコロナ禍は予測できなかったが、研究開発という“弾み車”を回してアルゴリズムを磨き込み、それをAI SaaSのプロダクトに導入して広げていくということが結構できている」(上野山社長)

 実際、買収した3社を除いても、ストック型のSaaS事業のARR(年間経常収益=サブスクリプション事業の実力を示す指標)は、上場後の年平均成長率が46%に達する。顧客基盤が広がっているうえ、データの蓄積で精度が向上するため、解約率が低いからだ。SaaS事業の限界利益率は約50%と高く、稼ぐ力は着実に強くなっている。

(山田 雄大)


(株)東洋経済新報社