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AZ-COM丸和ホールディングス(株)【9090】の掲示板 2023/12/15〜2024/04/22

続き

 C&Fは「回答書を特別委員会に提出し検討する。追加で質問する可能性もある」(広
報IR部)。丸和HDは「質問には迅速かつ真摯に対応していく」(担当者)としている


 他方、C&Fが事実として認めているのは、丸和HD以外に「複数の初期的な提案を受
領した」ことだ。物流事業者やファンドなど、主体は明らかにされていないが、丸和HD
の対抗馬が出現する可能性が出てきた。証券関係者の間では「ホワイトナイト」(友好的
な買収者)に関する噂はあったが、実際に提案が寄せられていたわけだ。

 提案の背景にあるのは低温度帯の物流の成長余地だろう。近年、冷凍食品のマーケット
は拡大基調が続く。ニチレイフーズの推計では、2018年度の5600億円から202
3年度は7600億円に拡大する見通しだ。低温物流市場も拡大傾向にあり、2022年
度の市場規模は前年度比3.6%増の1兆7724億円(矢野経済研究所調べ)、202
5年には1兆9157億円にまで市場規模が拡大する予測だ。

■丸和HDを上回る提案は出てくるのか

 C&Fは冷凍食品の物流を担うヒューテックノオリンと冷蔵食品を扱う名糖運輸が統合
した会社。低温物流にはつねに温度管理を行うための専用設備が必要で、投資もかかるな
ど参入障壁は高い。

 また、同社は業界では珍しく、外注よりも自社ドライバーを多く抱えている。マーケッ
トの成長余地を見込み、今回のTOBを機にわれもと名乗りを上げた企業があるのだろう


 C&Fはアドバイザーも含め、寄せられた提案を精査していく。当然、最も企業価値が
向上し、株主の利益が最大化される提案を選ぶことになるが、難しい局面でもある。すで
に株価は3300円付近に上昇しているからだ。

 同社の株価はここ3年ほど2000円を下回る推移で、2015年の上場以来、300
0円台をつけたことはなかった。PBR(株価純資産倍率)も1倍割れが常態化していた


 丸和HDの提案を上回るには、低温物流の子会社を抱える大手と組むケースなどが考え
られる。ファンドなどが関与するにしても、大手顧客との連携や物流会社との明確なシナ
ジーの発現などが課題になりそうだ。

 丸和HDのTOB実施は5月上旬の予定。対抗馬は検討で終わることなく登場するのか
。同意なき買収の行方はより見通しづらくなっている。

(田邉 佳介)