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ブライトパス・バイオ(株)【4594】の掲示板 2016/07/28〜2016/07/29

免疫療法の本を読むと、がん特異的変異抗原(ネオアンチゲン)が免疫療法の注目点になっているようです。
がん特異的変異抗原とは、患者の体内で新たに変異したMHC(HLA)抗原のことです。

>実際、Rosenbergらにより、TIL(腫瘍浸潤リンパ球)移入療法が有効だった複数の進行メラノーマ患者さんから次々とT細胞が認識するネオアンチゲンが同定され、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果にもネオアンチゲンが関与していることが次々に明らかにされた。
>次世代シークエンサーを使ってマウス癌細胞の変異ペプチドを同定してそれらの抗原をマウスにワクチン投与することで抗腫瘍効果を導き出した論文が相次いで報告され、いよいよネオアンチゲン由来がんワクチンを用いた個別化がんワクチン療法の臨床試験が現実のものとなり、欧米ですでにいくつか臨床試験も始まっている。


>近年、Carrenoらにより樹状細胞ワクチンを用いて黒色腫患者のネオアンチゲンに対する免疫反応を増強することが可能であったとする興味深い報告がなされた。
>3例の黒色腫患者より腫瘍組織のゲノム解析を行い、アミノ酸の変化を伴うミスセンス変異の中から、HLA-A*20:01に結合性を示し、かつ、実際に発現されている変異をネオアンチゲン候補として絞り込み、この抗原ペプチドのワクチン接種を樹状細胞を用いて行った。
>その結果、ワクチンの前より存在した変異(優勢抗原)に対するT細胞反応はワクチンによりさらに強力となり、ワクチン前には存在しなかった変異(亜優勢抗原)に対する免疫反応のワクチン後には明らかな反応が誘導されることが示された。
>この研究結果はワクチン接種によりさらに増強しうるネオアンチゲンに対する免疫反応が黒色腫患者体内に存在することを示唆している。
>また、多種の個特異的なネオアンチゲンに対するワクチン接種はそれぞれの変異抗原ペプチドの合成を要するが、大量のペプチドを必要とするペプチドワクチンより微量の抗原ペプチドで効率的なワクチン接種が可能な樹状細胞ワクチンにその利便性があるかもしれない。

つづく