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JCRファーマ(株)【4552】の掲示板 2021/07/30〜2021/08/03

>>1278


hhmさん、少し長いですが全文載せておきます。

薬の成分を脳内に届ける技術を世界で初めて実用化したJCRファーマ。脳が鉄分を取り込む仕組みを利用し、ウイルスなど異物の侵入を防ぐ血管内の関門をくぐりぬける。メガファーマ(巨大製薬会社)が研究開発に年数千億円を投じ技術革新を急ぐディスラプション(創造的破壊)に立ち向かえるのか。芦田信会長兼社長に聞いた。
――脳に薬の成分を届ける技術を使い、難病の「ハンター症候群」の治療薬を5月に国内発売しました。
「第2の創業だと考えている。この技術を他の治療薬の開発に横展開する。ハンター症候群と同じく、細胞内に老廃物がたまって引き起こされる難病の治療薬を想定している。10種類以上は十分に開発できる自信がある。脳の機能が原因とされる他の疾患にも応用が期待でき、研究を進めている」
「当社のような小さな企業は、大手が注力するがんなどの領域では闘えない。患者数が少なく治療薬の開発が進んでいない病気で商機を探る必要があった。脳に薬の成分を届ける技術を、様々な医薬品に活用できる基盤技術として他社に提供して対価を取る『プラットフォーマー』をめざす」
――具体的な動きはありますか。
「大日本住友製薬は当社の技術を使い、脳の機能に原因があるとされる中枢神経疾患の治療薬の研究を進めている。今後は国内外で技術提供するケースが増える。これまで当社の人手が限られていたが、機を逃さないよう人員を増やし研究体制を拡充している」
「5月に国内で発売したハンター症候群の治療薬は欧米で最終段階の治験を控える。海外の販売は当社にノウハウがないため、大手製薬会社に任せる予定だ。この会社からも脳に薬の成分を届ける技術を別の薬に活用したいという要請があり、交渉している」
――プラットフォーム化には何が必要ですか。
「薬の成分により脳への最適な届け方は異なる。どんな薬の成分でも届けられるように技術を進化させる。取り組みの一つとして、創薬スタートアップのペプチドリームと共同で、脳の関門を通過する際の運び屋となるペプチド(アミノ酸の集合体)を開発した」
「他社を含めて脳に届けられれば効くが脳の関門を通過できずに開発を中止した例がある。当社が幅広い薬の成分を脳に届ける技術を確立できれば、こうした開発中止品に改めてチャンスが出てくるかもしれない」
――1月に神戸市に研究拠点を新設しました。
「次のプラットフォームになりうる技術を探す。研究開発は早く始めた方がとてつもなく有利だ。小さい企業も情報のアクセスの面で差がなくなった。大企業は社内の議論に時間がかかり第一歩が遅れるケースがある。研究者が思った瞬間にぱっと動ける環境をつくる。そこが勝負の分かれ目になる」
――英アストラゼネカの新型コロナワクチンの原液の生産を受注しました。
「3月から出荷を始めている。細胞を培養して原液をつくる仕組みに、これまでの研究開発のノウハウが生きた。細胞やタンパク質を扱う技術は当社の強みだ」

あしだ・しん 1943年東京都生まれ。68年甲南大理卒、大五栄養化学(現・日本製薬)入社。75年に前身の日本ケミカルリサーチを設立。2007年から代表取締役会長兼社長。趣味のクラシックを聞きながら次の一手に思いを巡らす。