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小野薬品工業(株)【4528】の掲示板 2016/08/08

2016/08/08
ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMY)は、がん免疫治療薬「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)がより幅広い肺がん患者の治療に効果があるか調べる臨床試験に失敗したと8/5(金)にプレスリリースしています。この発表を受けて同社株価は、63.28ドルへ前日比12.04ドル安、16%下落しました。また、同社と「オプジーボ」を共同開発している小野薬品工業(4528)も8/8(月)に同じ材料で2,881円のストップ安気配(8/8午後1時現在)となっています。
同臨床試験は、「PD-L1発現レベルが5%以上の未治療の進行期非小細胞肺がん」を対象に、これまで承認を受けている化学療法との併用でなく単独でも有効かどうかを調べる試験でしたが、がんの進行を抑え死亡リスクを有意に低減させるとの評価尺度(無増悪生存期間)で、化学療法と比べた有効性を示せませんでした。
8/6付日経電子版では、「市場予測によると、オプジーボが肺がんで化学療法に代わる治療の選択肢になった場合の売上規模は2021年までに年120億ドルになる」と期待されていましたが、米エバーコアISIのアナリストは「今回の治験結果はオプジーボの売上を年間で40-45億ドル押し下げる可能性がある」とコメントしたとしています。
「オプジーボ」ががんに有効な治療薬であるとの評価は変わらないものの、今後の適応拡大の予想において打撃となる見込みです。
8/5に出たアナリストの投資判断は、買い・アウトパフォームが7件、ホールド・中立が9件(うち、2件が格下げ)、アンダーパフォームが1件で、目標株価を変更したケースでは2割前後の引き下げとなっています。目標株価の平均は75.15ドル(Bloomberg集計、8/8時点)です。
一方、この発表を受けて8/5(金)のメルク(MRK)の株価は63.86ドルへ10%上昇しました。同社は、「オプジーボ」のライバル薬であるがん免疫治療薬「Keytruda」(一般名:ペンブロリズマブ)を擁し、今回と同様の臨床試験に成功したことを6/16にリリースしています。
ただし、メルクの試験で対象とした患者はPD-L1の発現率が50%以上であり、ブリストルは発現率が5%以上の患者を対象としたことが明暗を分けたと考えられます。ブリストルはメルクに比べてハードルの高い試験を選び失敗したと言えるでしょう。