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大黒天物産(株)【2791】の掲示板 2020/10/08〜2021/07/20

大黒天物産<2791> 大黒天物産の今21年5月期は上振れ公算、内食需要に子会社損益改善も寄与
四季報速報

岡山発祥の食品ディスカウントストア、大黒天物産の今2021年5月期は、会社計画から上振れする公算が大きい。同社は、新潟・長野・愛知から九州北部まで、「ラ・ムー」「ディオ」など現在187店を西日本に広域展開する。

 旺盛な内食需要を背景に、今期ここまでの売り上げは好調に推移している。既存店売り上げは、6月が前年同月比8.5%増、7月が10.8%増、8月が12.2%増で、第1四半期(20年6~8月)は、10%強の増加だった。その後、9月は消費増税前の駆け込みがあった昨年との比較で3%増程度まで増収率が縮小したが、10月は再び10%に近い伸びとなった。

 10月に発表した第1四半期の実績は、売上高が572億4100万円(前年同期比12.4%増)、営業利益が26億3100万円(同156.4%増)と、絶好調だった。今通期計画に対する進捗率は、売上高で26.9%、営業利益で42.9%に達している。

 にもかかわらず、会社は今期の期初計画を据え置いた。今通期の会社計画は、売上高2124億5500万円(前期比0.2%増)、営業利益61億2000万円(同3.1%増)と、微増収・微増益の見込み。これは、既存店売り上げが上期6%増ながら下期は10%減と失速し、通期で2%減となる想定のためだ。ただ、10月までの動向は上述のとおり。足元は、新型コロナの感染が再拡大傾向にあり、内食需要が下期にかけ急速にしぼむとは、考えにくい。業績据え置きの理由について、IR担当者は、「第1四半期は想定以上だったが、とりあえず上期いっぱい様子を見たい」としている。

 本体に加え、ここ数年で設立あるいは買収した子会社群も、設備やシステム刷新などが奏功して堅調だ。17年に割安なPBの牛乳を自社店舗で売るためにスタートさせた岡山の酪農子会社は、ようやく今期下期に黒字化の見込み。また、18年に相次いで買収した小型食品スーパー3社(岡山のマツサカ、広島の小田商店、福岡のマミーズ)も、損益が改善しており、小田商店は前期に黒字化、他の2社は今期に黒字化の見通しだ。

 今期は、期末に近い来年4~5月に5店の新規出店を予定しているため、下期は新店開業負担が集中し、上期より利益率が低下しそうだ。これらの点も踏まえたうえで、今期業績は、表記程度まで上振れする可能性が高そうだ。

 大黒天物産の株価は、今年7月、6340円の上場来高値を記録してから上値が重くなり、高値圏でのモミ合いが続いている。7月に公表した今期予想が控えめで、10月の第1四半期発表でも予想を据え置いたことへの失望感があるためとみられる。増額修正発表などきっかけ待ちの状況だろう。

(柿沼 茂喜)

(百万円)    売上高  営業利益 経常利益  純利益 1株益¥ 1株配¥
連本2020.05  212,059 5,935 6,149 3,735 267.5 27 
連本2021.05予 218,000 7,200 7,400 4,500 323.1 27-30 
連本2022.05予 222,000 7,100 7,300 4,450 319.5 27-30 
連中2019.11  100,322 1,918 1,998 1,186 84.9 0 
連中2020.11予 110,000 3,950 4,050 2,590 185.9 0 


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