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ステラファーマ(株)【4888】の掲示板 2024/02/02〜2024/03/02

日本経済新聞 2023年11月22日 [会員限定記事]

J-BEAM(同県楢葉町)が次世代のがん治療装置を開発している。
がん細胞に照射する中性子を生み出す加速器を
既存装置の10分の1ほどに小型化した。
導入コストも低減し、2028年以降に国内外での普及を目指す。

BNCTの汎用性を高めるため、J-BEAMは装置の小型化を目指してきた。
核融合反応を応用し、比較的少ないエネルギーで中性子をつくることに成功した。
核分裂を利用して中性子を発生させる他社の装置は大型加速器が必要で、
全長は10メートルほどだという。

加速器の小型化は、治療装置の設計の幅を広げた。
同社は体を囲むように加速器を配置し、複数方向から中性子線を当てる装置を開発する。
体の表面から遠い所にできたがん治療への応用が期待できる。

今後、治療効果を高めるため、照射する中性子線の強度を10倍に高める。
25年末までに臨床試験用の装置を完成させる。
臨床試験や国の承認を経て、28年中の販売開始を目指す。

放射線がん治療装置の普及には、導入コストもカギになる。
大型の装置の場合、収容する建物の設置も含めてコストがかさむ。
重粒子線治療機器は100億円超、小型の陽子線治療機器でも40億~50億円とされる。
J-BEAMの装置は20億円程度の予定だ。
医療機関が装置を購入してペイする価格を目指した。
1施設当たり年1500人の治療を想定している。
事業が軌道に乗れば「国内でX線がん治療装置と同程度の500~600台の出荷が見込める」(石本学社長)。
欧米や中国も有望市場とみている。

ロームは治療装置に使うパワー半導体の素材を提供する。
同社は21年、治験に向けてJ-BEAMが共同研究する京都府立医科大学に装置を寄付した。

中性子のターゲットになるホウ素薬剤開発では慶応大学医学部と連携している。
中性子とホウ素の反応で発生するガンマ線を画像化し、
診断が難しい微細ながんをみつける手法の開発も目指す。