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サンバイオ(株)【4592】の掲示板 2019/06/14〜2019/06/17

【外傷性脳損傷TBIの発生頻度と予後】

WHO報告(2007年)によれば,TBIの10万人当たりの発生頻度は,
150人~300人と高い.TBIの全世界の罷患者数は,毎年1000万人に上る.

その内,MTBI(軽度TBI)は,TBIの9割を占める.

MTBIは,ほとんどが,数カ月から1年で回復するが,MTBIの1割前後の
患者は回復することがなく,一生涯,後遺障害に苦しむ.

MTBIの臨床症状は,実に多彩である.
痙攣,てんかん発作,高次脳機能障害,脳神経麻痺,四肢の運動・知覚麻痺,
小脳症状,神経因性膀胱,自律神経障害,うつやPTSDなどが現れる.
このために,神経眼科,神経耳科,神経泌尿器科,リハビリテーション科,
精神科の学際的なアプローチが欠かせない.


【外傷性脳損傷(Traumatic brain injury:TBI)】

外傷性脳損傷は,WHOの系統的な調査によりTBIの毎年の発生率は
恐らく100,000人当たり600人以上であるとされており,50歳以下の年齢層
では高次脳機能障害の第一の原因疾患であると報告されている.

特にTBIは外力による衝撃が頭部に加わった瞬間に力学的機序によって生じる
一次性脳損傷とその後の生体反応の結果として生じる二次性脳損傷の2つに
分けられる.

一次性脳損傷は受傷時に生じるもので,頭皮の断裂や頭蓋骨骨折,脳実質の
損傷(脳挫傷),血管や神経の損傷などが挙げられる.

二次性脳損傷は出血による血腫の形成,脳虚血,脳浮腫,脳腫脹等,受傷後
の時間的経過で刻々と変動する病態である.

たとえ軽度であってもTBIでは後遺症として高次脳機能障害を呈し,長期的な
フォローを必要とすることが少なくない.