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>>298

はっ 投稿です@@


>2022年5月17日 14:30

 夕刻、上海総領事館から連絡があった。最初に不便な思いをさせてしまっていることのお詫びの言葉をいただいた。悪いのは僕の方なので恐縮した。

 その後「体調は大丈夫か?」「食事は大丈夫か?」と心配をしれくれたが、 「仲間がいるのでなんとかなっている」と伝えた。

 そして「明日になってしまうが、午前十時空港で上海政府関係者と今後のことを相談して欲しい、通訳としてANAの常駐スタッフを手配しているので、言葉の問題は心配しなくて良いから。その時に政府関係者から解決策を提示されると思うので、それで問題がなければ自分の判断で受け入れて欲しい。問題があればANAのスタッフに伝えるようにして欲しい」と言われた。

 風向きが良い方向に変わって来た気がした。

 早速住人仲間に報告をした。みんな拍手をして喜んでくれた。

「本当にみなさんのお陰です。なんとお礼を言えばいいか」

 涙ぐんでしまった。

「よかったですね!」
 お兄さんも涙目だった。

 住人仲間は誰一人、僕に自分たちのことも伝えて欲しいとは言ってこなかったが、明日、もし僕が良い方向になるのであれば、今度は僕が彼らを助けなければならないと思った。

(つづく)

  • >>522


    >2022年5月18日 15:00


     翌朝、ANAのカウンターへ向かった。そこには防護服にフェイスシールドをした人が僕を待っていた。ANAの中国人女性スタッフの人だった。挨拶を済ませた後、彼女が話し出した。

    「政府関係者は来ませんが、言付けをもらっていますのでお伝えします。笠間さんがよろしければなんですが、これから上海市が用意している隔離ホテルがあるので、そこに移動して欲しい。また来週の上海発成田行きのANA便を用意出来たので、それにチケット変更して欲しい。それでよければその日まで隔離ホテルに滞在となります。また日本向けのPCR検査陰性証明書も用意できるように手配します、とのことです」

     政府関係者がいないことにがっかりはしたが、まさかの好転話で笑顔が溢れてしまった。

    「どうします?」
    「どうしますって、それにするに決まっています」
     フェイスシールドの向こう側で笑っているのがわかった。

    「ただ、一つだけお願いがあります。同じ状況の中国人が十人くらいいます。彼らにも同じようにしてあげることはできないでしょうか?」
    「う~ん、私ではなんとも」
    「政府関係者の人に伝えるだけでもお願いできないでしょうか?」
    「わかりました。伝えておきます」
    「ありがとうございます! お願いします!」
    「では、もうこのまま隔離ホテル行きのバス乗り場までご案内いたします」
    「わかりました。ありがとう、本当にありがとうございます!」

     僕は微信のグルチャで住人仲間に報告をした。

     そして上海総領事館にお礼と、住人たちのことを話した。彼らのお陰で僕は助かったことを伝えた。

    (つづく)