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任天堂(株)【7974】の掲示板 2019/03/14〜2019/03/18


今という時代を前進させているのはコンピュータの発達です。そのコンピュータの発達を支えているのは半導体製造技術の進歩です。その半導体技術の進歩を支えているのは半導体を描画する線幅の微小化技術です。

要するに半導体描画線幅の微小化技術の進歩が時代を推進しています。これを具体的に説明するために予備知識として、スイッチは20nmで描画され、最先端のスマホは7nmで描画され、描画の最先端技術は1nmで開発されていて、何年か後には実用化される、ということを知っておいてください。

この半導体の描画線幅がどのように時代の進歩を推進するのかと言うと、仮に20nmで描画されたスイッチの性能を1とすると、描画線幅が10nmになると性能は今の4倍になり、5nmになると16倍になり、2.5nmになると64倍になり、1nmになると性能は今の256倍になります。

この性能向上をコンピュータのダウンサイジングと言いますが、そこでの優先順位は性能より価格です。高性能な製品が安くなると沢山売れるようになり、量産化が進み資本が集まり技術がさらに進む、という好循環が始まります。

この好循環によってコンピュータのダウンサイジングが進み、コンピュータは世界の情報通信空間の密度を高め、空間の壁、時間の壁、技術の壁を消滅させ、時空の均質化を進め、仕事と価値の流動性を急速に高めます。

そしてこの情報通信空間を支えるのがUNIX OSです。今ではサーバでもスマホでもUNIXは動いていて、WindowsパソコンもマイクロソフトがUNIXサービスを提供することでUNIXとの親和性を高めています。情報通信空間とは、具体的には全てのスマホとサーバとパソコンとゲーム機で動作し相互通信している無数のUNIX OS群により高専されているということになります。

情報通信空間上という媒体により、仕事は多数の階層に分割され、その細分化された階層で生き残りをかけた世界大戦が進められ、勝ち残った企業だけが階層化された市場で覇権を取ります。

全ての企業は情報通信空間媒体により階層化され均質化された空間から逃れることはできません。それは任天堂でも同様です。

もう垂直統合的に関連する全ての階層で防壁を作り防御することはできません。自分たちが最強になれる階層を絞り込み、そこに全勢力を集結し全力で世界と戦い、戦いに勝ち残り、覇権を握らなければなりません。勢力の集中ができなければ負けます。二兎を追う余裕などはどこにもないのです。過酷なスクラップアンドビルドに耐えられた企業だけが生き残り勝者になれます。

しかしスクラップアンドビルドは困難な作業です。インテルはその判断でミスをしたため、すなわち二兎を追ったため覇権を失いかけています。東芝は敗れました。日立は事業再編を進めています。マイクロソフトも事業再編をしています。アルファベットも事業の分散化を進めています。トヨタも開発のオープン化を決定しました。

任天堂は岩田社長がそれを断行し、人事を刷新しました。具体的にはハードの開発本部を閉鎖し、ソフトの開発本部に統合しました。ハードの社内開発を廃止し、UNIXゲーム機のOEM採用に切り替えました。要するに任天堂環境、任天堂プラットホームのオープン化、仮想化を推進したのです。

任天堂の中心事業は娯楽です。大切なものは概念的な娯楽です。媒体は媒体でしかありません。任天堂は紙媒体から電子媒体へ、電子媒体から情報通信媒体へと、媒体を乗り換えてきました。

具体的にはWiiU までは自社開発した電子媒体を採用してきましたが、スイッチから自社開発するのは仮想的な任天堂環境であり、物理的なハードやOS、開発環境などの中間的な階層の製品はオープン環境のコモディティーによる情報通信空間という媒体を利用しています。

そのため媒体が変わっても、任天堂が開発している娯楽という製品に変更はありませんが、それをお客さに届ける媒体が世代交代しただけです。

媒体が情報通信空間になると媒体の利用方法も変わります。全ての任天堂のサービスは、UNIXのクライアント・サーバモデルで形成された仮想的な世界を媒体として仮想的に提供されます。物理的な物の世界は電子の伝送路でしかなく、それには意味も価値もありません。意味と価値があるのは情報です。