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ソニーグループ(株)【6758】の掲示板 2019/09/18〜2019/09/26

世界が「桜は中国の花」と思う日は来るか
「桜を中国の国花に」
中国の人々も桜の花を楽しむようになったのは結構なことで、それ自体、何の問題もない。しかし桜の国民的人気が高まり、桜の花を見る人が増えるにしたがって、中国の各地で公園や公共施設、街路などに桜を植える例が続々と増えている。そうなると、ここでも「量」の話が頭をもたげてくる。例えば、河南省鶴壁市という街は、これといって特色のない地方都市だが、もともと市内中心部の「華夏南路」という通りに桜の並木があったことから、「桜の街」として売り出すことを決めた。長さ4㎞の同道沿いに10品種、2万2000本の桜の木が植えられ、「中国で最も美しい桜の大道」という評価もある。2015年からは毎年4月上旬に「桜文化フェスティバル」というイベントを開催、開花時期には30万人以上の人出でにぎわうという。こうした「桜ブーム」の流れに乗って、桜の花に関連する業界で組織した「中国櫻花産業協会」は今年7月、「桜の花を中国の国花にすべきだ」との決議をまとめ、発表した。それによると「桜が中国に起源があることは世界の共通認識であり、2500年前から栽培されていた記録が文献にある。桜の花の咲き誇るさまは中華民族の復興のイメージにふさわしい。国民にもますます愛される花になっている」といった内容の声明になっている。もちろんこれは桜の「関連業界」の人たちが言っていることで、この主張が現時点で国民的支持を得ているわけではない。しかし、繰り返してきたように、なにしろ中国は大きい。なので、この調子で全国各地の公園や学校、街路などに桜の木が植えられていくと、20~30年後には中国の人たちが何の悪意もなく「桜は中国のシンボル」という共通認識を持つようになる可能性がある。そして、14億人の国民から中国の桜の美しさが世界中に発信されていく。政府も当然、そのサポートをするであろう。世界の政治、経済、文化において中国の存在感が日々高まりつつある現在、やや先走りした話をすれば、桜の花は中国が本場――といった認識を世界の人が持ってしまう可能性は決して低くないと私は思う。これは詰まるところ「量」=影響力の問題だからである。実はこの構図は、ラーメンでもお鮨でもアニメでも新幹線(高速鉄道)でも、いわゆる「日本発」の文化、習俗、すべての領域で起こる可能性があり、現に起こっていることである。