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(株)ワコム【6727】の掲示板 2016/03/11〜2016/08/05

>>977

いわゆるリスク回避の円買いによって一時1米ドル=99円をつける急激な円高が起き、英国に限らずワコムは、決算説明資料(P32)の「連結損益予想の前提」のなかで「通期想定為替レート(1米ドル=110円、1ユーロ=125円)」と合わせ、売上高と営業利益における「為替感応度」も公表しています。
2016年5月11日 2016年3月期決算説明資料 [PDF: 1.4MB] http://investors.wacom.com/media/files/investor-relations/2016-japan/160511_Business%20Report%20FY0316_final.pdf

「為替感応度」とは、為替変動が売上高や営業利益に対してどの程度の影響を及ぼすかを示す指標で、米ドルやユーロに対して円相場が1円動いた場合の年間平均影響額の目安を示すものです。簡単にいいますと、為替変動によって会社は得をするのか損をするのか、その程度はどれくらいかを示すものだとも言えます(但し、為替相場変動の直接の影響のみを示すもので、値上げや値下げ、売上数量の変動といった間接的な影響は計算の対象になっていません)。

ワコムの今期業績予想の「為替感応度」の特徴は、「通期想定為替レート」が対米ドルで1円円高に推移した場合に、年間の売上高は5億円相当のマイナスになる一方で、営業利益は逆に0.4億円相当のプラスになるということです。
これは、当社の通貨別損益構造の特徴によるもので、生産の約98%が海外委託会社との取引で主に米ドル建て原価となっており、多くを占める米ドル建ての販管費も更に加えると、米ドル建てのコストが米ドル建ての売上高を若干上回るからです(当社の為替感応度においては、米ドルにリンクして変動するアジア通貨も米ドル建てとみなして計算しています)。

なお、ユーロに対する為替感応度は、1円の円高で年間の売上高が1.4億円相当のマイナス、営業利益でも1億円相当のマイナスとなるため(ワコムの場合、欧州のユーロ建て売上高がユーロ建てのコストを大幅に超過している)、最近の対米ドル、対ユーロでの円高局面において、ワコムの営業利益はプラス面とマイナス面が部分的に相殺し合っている状況だといえます。