ニデック(株)【6594】の掲示板 〜2015/04/27

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◆2013/07/25 日経産業新聞 7ページ

日本電産はロボット掃除機向けに吸引ファンと一体化したモーターユニットを開発した。ごみの吸引力を高めながら従来より６割小型化し、消費電力も低減。このほどシャープに供給を始めた。ロボット掃除機市場は世界で急成長しており、今後も国内外の家電各社の参入が見込まれている。日本電産は小型高機能モーターを武器にシェア開拓を狙う。

開発したのは羽根を高速回転させてゴミを吸引するターボファンと、モーターを組み合わせたユニット部品だ。ロボット掃除機の要となる部品で、ユニット化したことで顧客はモーターとファンを個別に調達して設計する手間が省ける。

モーターは駆動用ＩＣの電気信号で回転を制御する小型高効率モーター（ブラシレスモーター）を採用した。そしてファン部分には、ノートパソコンや光ディスク向けの部品で培った技術を生かしている。

空気圧を高めて風量を上げる吸引用のターボファンは、風を制御して効率的に送り出すパソコン用の冷却ファンの技術をベースに開発。光ディスク用モーターで培った「電磁力を制御して振動やノイズを低減する要素技術も応用し、静音性を高めた」（汎用モーター事業本部の上田智士マネジャー）。

米アイロボットの「ルンバ」など他社のロボット掃除機では、スイッチ（整流子）で正極と負極を機械的に切り替えるモーター（ブラシ付きモーター）が主流となっている。１個１ドル以下と低価格なのが特徴だが、日本電産がシャープの「ココロボ」向けに開発したユニットサイズは、直径が２・５センチメートルで高さは１・３センチメートル。大手他社の製品よりも体積比で６割削減した。

開発を統括している滋賀技術開発センター所長の宮本栄治氏は「吸引力を高めたい、薄く小型にしたい、静音性を追求したい、といった顧客の要望に合わせてカスタマイズして提供できるのが強み」と話す。

価格は数ドルと高いが、小型化や高い機能性が評価され、シャープや韓国の家電メーカー、モニュエル社など３社から相次ぎ受注。昨春から本格的に量産を始め、これまで計１５万個以上を販売した。

吸引用だけでなく、ロボット掃除機に通常２台搭載される車輪用でも、タイヤと減速機を一体化したモーターユニットを開発した。直径２・５センチ高さ１・３センチと、他社製に比べて６８％小型化した。欧州や国内の家電大手が今年から来年にかけて発売する新製品への搭載を目指している。

ロボット掃除機の世界の市場規模は２５０万～３００万台とみられ、年率２桁の成長を続けている。

市場を切り開いた最大手のアイロボットが過半のシェアを占めるが、シャープだけでなく、韓国サムスン電子やＬＧ電子、東芝など電機大手各社が相次ぎ参入し、今後さらに市場拡大が見込まれている。

日本電産はシャープ向けでの実績を武器に各社に採用を働き掛けており、「米国や欧州、国内の家電大手から強い引き合いをもらっている」（宮本氏）。ロボット掃除機には１台に吸引やゴミを集める回転ブラシ、車輪用など４～５個のモーターが使われる。

日本電産はパソコン向けで培った精密小型モーター技術を、成長性が高い家電向けに応用する戦略を加速しており、ロボット掃除機向けには２０１５年度に車輪やブラシ用を含めて現在の２０倍以上の４００万台の販売を目指している。

製品の概要
▼製品名　「ロボット掃除機用吸引モーター」
▼用　途　ロボット掃除機で高い吸引力でゴミを集める
▼特　徴　ファンを高速回転させて吸引力を高めながら小型・省電力化。製品の小型化やゴミ収納箱の大型化などが可能に
▼時　期　昨年５月からシャープなどに供給。２０１３～１４年度に大手他社に拡大

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