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三菱電機(株)【6503】の掲示板 2016/10/19〜2017/06/02

>>997

 試験データが重要だ。衛星は打ち上げると平均で15年間、直せない。このため1基あたりの納期が25~30カ月あるうち、10カ月は費やしている。宇宙の温度・真空環境を作るスペースチェンバー、アンテナの性能をみる電波試験設備などを使っている。試験項目は減らせないが、IT(情報技術)でデータ取得の時間を短縮する。
 宇宙事業が精密で計算ずくの領域でも、生産工程がデジタル化されている必要はなかった。同社は1年に数機の受注量で、しかも受注先に合わせた「一品一様」だ。
 ただ、これから三菱電機の受注は増えそうだ。国は宇宙基本計画にもとづいて長期の衛星打ち上げ方針を出している。同社は今年4月に投資を決めた。衛星生産の鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)に19年、110億円で新棟をつくる。衛星を同時に生産できる能力は10機から18機に増える。
 生産改革はこの新棟も念頭に置いて、データのリアルタイムな連携を進める。鎌倉製作所の生産、設計部門、機器を生産する相模工場(神奈川県相模原市)をつなぐ工場間ネットワークで改善のサイクルを速める。

新興国に期待
 「新興国に衛星を納めたい」と話す岡村氏の目線の先にあるのは、数えるほどだが納入実績がある中東。トルコやカタールの通信用途などを狙うようだ。アジアでの受注も目指している。
 衛星の海外受注は日本政府によるインフラ輸出の取り組みとセットで進むが、衛星そのものの魅力が欠かせない。1基の価格は小型で10億、大型で300億円といわれる。日本の宇宙政策に関わる関係者は岡村氏の発言を聞いて、本当にできるなら海外メーカーに勝てるだろうと話した。
 米衛星産業協会によると、15年の世界市場規模は06年の2倍近い2083億ドル(23兆円)に達した。ただ、衛星納入シェアは米ロッキード・マーチンやフランスのエアバスなど欧米勢が8~9割で、日本勢はわずかだ。
 三菱重工は国内で唯一、JAXAからロケット製造を受託している。12年に韓国で受注した打ち上げに成功、国際商用ビジネスに参入した。
 同社も今後のロケットビジネスに危機感を持つ。取り組むのは次世代のH3ロケット。1回に100億円程度かかる打ち上げコストを半分に減らそうと、JAXAとプロジェクトを進めており、20年度までに開発を終える。二村氏は「H3は世界から認知されなければならない」と語る。
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