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日本ペイントホールディングス(株)【4612】の掲示板 2016/08/31〜2019/07/09

日本ペイント、豪塗料大手を3000億円で買収

日本ペイントホールディングス(HD)は17日、オーストラリアの塗料会社、デュラックスグループを8月に約3000億円で買収すると発表した。デュラックスはオーストラリアやニュージーランドの塗料首位で建築用を得意とする。日本ペイントHDの売上高は日本や中国など東アジアに集中している。豪州最大手の買収を通じて収益基盤の分散を図る。

7月に買収先の株主総会で75%以上の承認などを得た後、8月に同社の全株式を取得する。買収資金は金融機関から全額を借り入れ、新株発行に伴う資金調達はしないとしている。3月下旬に前産業革新投資機構(JIC)社長の田中正明氏が日本ペイントHD会長に就任してから初めて決めた買収案件となる。

田堂哲志社長は17日、大阪市内で記者会見を開き「中国一辺倒の収益構造は事業バランスにリスクがあり、豪州市場への進出で安定した収益構造を確保する」と語った。

デュラックス株の買い付け価格は1株あたり9.65豪ドルとオーストラリア証券取引所での前日終値(7.67豪ドル)より3割弱高い水準となる。

デュラックスの2018年9月期の売上高は約1480億円。オーストラリアとニュージーランドの塗料市場では約5割のシェアを占める。塗料以外にも接着剤など住宅用建築材料を手掛け、買収後は日本ペイントHDの販路でも取り扱う。売上高は日本ペイントHDの18年12月期(6229億円)に単純合算すると約2割増える。

日本ペイントHDは17年末に米塗料大手アクサルタ・コーティング・システムズを1兆円超で買収する交渉を進めた。だが筆頭株主であるシンガポール塗料大手、ウットラムグループなどの反対により断念した経緯がある。田堂社長は海外戦略について「グローバルの成長に向けてアジアを中心に買収を検討していく」と話した。

17日の日本ペイントHDの株価は一時、前日比4%下落した。ただ、みずほ証券の吉田篤シニアアナリストは「買収先は日本ペイントHDが進出していない地域で重複が起きない。今回は全額借り入れで収まる範囲で株主価値の希薄化も起きにくい」と評価した。

  • >>941

    日本ペイントHD田堂社長「買収で1株利益が2割増」

    日本ペイントホールディングスは17日、オーストラリア塗料最大手、デュラックスグループを約3000億円で買収すると発表した。日本ペイントHDの田堂哲志社長は日本経済新聞社の取材に応じ、「規模を追い求めず株主利益の向上を最優先に考える。今回の買収で1株利益は2割増える」との見方を示した。主な一問一答は以下の通り。

    ――今回の買収の狙いはどこにあるのか。

    「現在は売上高の7割弱を中国やアジア市場に依存している。成長性がある一方、収益がぶれるリスクもある。安定的な成長を見込めるオーストラリア市場を加えることで収益構造の改善につながる。経営指標として1株利益を重視している。今回の買収でも約2割上がると見込んでいる」

    ――買収交渉のきっかけは。

    「日本ペイントHDからデュラックスに買収を打診し、昨年の8月から交渉が始まった。私が社長に就任した時から買収候補として検討していた会社の一つだ。デュラックス側も接着剤などの自社製品をアジアの販路で扱うことができる。今回の買収は両社に相乗効果がある」

    --2017年の米アクサルタの買収交渉では取締役会での反対の声もあった。今回はどのような議論があったのか。

    「ゴー・ハップジン氏を議長とするM&A諮問委員会で買収について議論をしてきた。3月下旬に会長に就任した田中正明氏も非常に良好な案件だと評価しており、16日の取締役会では全会一致で承認された」

    ――今後の海外展開の方針は。

    「世界で塗料業界の再編が進むだろう。だが売り上げだけの規模は追わない。アジアを中心に買収を含めた事業拡大を進めるものの、株主価値を毀損しない形で進める」

    ――買収額は3000億円と過去最大です。

    「全額借り入れで資金を調達するため、株主価値の希薄化が起こらない。これまで打ち出していたシンガポール同業大手ウットラムとのアジア合弁会社を完全子会社化する方針は変わらない。ただし資金調達の制約から、当初目標としていた20年よりは遅れそうだ」