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エーザイ(株)【4523】の掲示板 2020/02/29〜2020/03/27

再度、投稿します。

私のささやかな経験から語れば、現在、医療の現場で処方されている認知症の薬で、最も役に立っているアリセプトでさえ、効果を感じるのは3人にひとり程度です。と言って、その有効性は、言動の活発化であり、記憶力の回復ではありません。あとのふたりは服薬を続けても、変わらないか、悪化していきます。このような乏しい効果であっても、他社の認知症薬はアリセプトの足元にも及びません。残念ながら、これが現在の認知症治療の現状です。

さて、この度のアデュカヌマブはMCI(軽度認知障害)の治療薬として、薬のはたらく仕組みは画期的です。アルツハイマー病を引き起こすアミロイドβ蛋白を溶かす働きがあるからです。従来の認知症薬のような対症療法でなく、原因へのアプローチが行われます。治療効果としてアルツハイマー病の発症を20%遅らせるとの所見も、上記の効果と見比べれば、極めて優れていると評価できます。

薬としてFDAが認めるかについて、私見を述べます。もし否認すれば、原因療法に対しする創薬のエネルギーを閉ざしてしまいます。医学の進歩を止めてさえしまいます。私は認めると想定しています。認めざるを得ない治療的アプローチと所見だからです。

おそらく薬価は高額になるでしょう。高齢社会では治療を求める人は多く、保険医療費はおおきく膨らむのは間違いありません。しかしアルツハイマー病を発症する人が減れば、現在でさえ膨大な介護等の費用は今後著しく増えることがなくなることでしょう。すなわち医療費は増えても、介護費の伸びは抑えられるとの見方です。しかも本人はアルツハイマー病に陥らずにすみ、充実した老後を送れます。家族も介護の負担から逃れられます。高齢者が生き生きとした人生を送れる社会となります。

私たちの人生を豊かにし、社会を変えていこうとする新しい薬の臨床現場への登場を、私は心待ちにしております。