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エーザイ(株)【4523】の掲示板 〜2015/04/28

エーザイが通期業績予想の大幅下方修正を適時開示しなかったことを契機に株価が高騰しています。

個人の信用売りの影響が指摘されますが、個人の信用売りだけでこのような株価が形成されることはおそらく無いでしょう。

新世代アルツハイマー型認知症治療薬、BIIB037の開発は朗報ですが、フェーズ1B(軽度で170人程度)の段階で成果があがったとしても、アリセプトを越える薬剤なのか、契約条件からエーザイに利益をもたらすのか、そもそも発売にこぎつけるのか全くわかりません。

したがって、この新しい治療薬への期待がこれだけの株価高騰の原因とは考えにくいと思います。

エーザイはいつものとおり、卓越した超ポジティブIRを出すと思いますが、完治につながる薬剤なのかどうかがポイントと思います。

止める、遅らすという点でアリセプトよりよいくすり、作用機序が新しいので新世代という程度であれば、発売されてもドネペジル(アリセプト)が使われます。医療費抑制は国内外で待った無しだからです。

株価の推移をみれば、その形成は意図的です。

万が一にも無いと思いますが、
①エーザイ自身がシナリオを書き、通期業績予想の大幅下方修正を意図的に適時開示せず、利益を米国子会社の資本払い戻し(減資)で約200億円捻出するという緊急避難に注目されるのを防いだ

②内藤晴夫社長個人の米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院、慶應義塾大学人脈等の支援

③エーザイIRのミスリードに気づいた国内外の機関投資家、ファンドのしかけ

などです。

歴史に残る高騰になりましたので、これから証券関係者のみなさん(東証や金融庁を含む)、ガバナンスやコンプライアンスの研究者や評価会社、他の製薬企業や経営スタッフのみなさんが、一斉にそのプロセスや原因の調査・研究を行うと思います。

株価形成のプロセスでコンプライアンス違反がなかったのかどうか(なかったと信じますが)解明されると思います。

エーザイIRのミスリードが取り返しのつかないことになっていないか、心配です。

一点、新世代アルツハイマー型治療薬の開発に一喜一憂している状況ですが、アリセプトの開発開始から30年以上が経過しています。

エーザイはこれまでずっとアリセプトを越える薬剤の研究開発を続け、かけた費用はおそらく何千億円にも及ぶと思います。

しかし、アリセプトの発売から18年目でも、まだ急いでいる状態です。世界で一番アルツハイマー型認知症に詳しく、治療薬で先行していると思われたエーザイが、海外の会社と利益を分配して共同開発せざるを得ない状況なのです。

新しい治療薬の開発を急ぐことは当然と思いますが、30年以上という年月でわかるように、くすり(化合物)でアルツハイマー型認知症を治すというのは容易なことではありません。おそらくまだ10年以上かかると思います。

BIIB037でアルツハイマー型認知症が完治する可能性があれば画期的ですが、遅らす、止めるという点でアリセプトよりよいというレベルであれば、おそらく発売されてもドネペジル(アリセプトの成分)が使われると思います。

完治する薬剤でなければ、ずっと服用しなくてはならず、薬剤経済性が厳しく問われるからです。

2015年度は、エーザイにとって事業継続や配当継続など、企業経営の根幹が問われる厳しい年になると思います。

健闘を祈りたいと思います。