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塩野義製薬(株)【4507】の掲示板 2021/10/01〜2021/10/04

メルクのモルヌピラビルのニュースが話題になっています。海外製にしろ、国内製にしろ、経口のコロナ治療薬が早く使用できるようになることは、通常の生活に戻れるようになるという意味では、喜ばしい話と思います。ただ、塩野義を応援されている方にとっては、ちょっと気になりますね。ただ、ニュースになっているモルヌピラビルの試験と、塩野義のS-217622の試験は、対象としている患者層が、少し違っているようです。
例えば、モルヌピラビルでは、基礎疾患を持っている方を対象としていますが、S-217622では、登録後48時間以内に,SARS-CoV-2感染症の症状が悪化することが強く疑われる者や、中等度の肝疾患・腎疾患を持っている方は、対象から外しています。そのため、モルヌピラビルでは、死亡率や入院率を評価しているのに対し、S-217622では、COVID-19症状が回復するまでの時間(軽症のSARS-CoV-2感染者)、COVID-19症状を発症した被験者の割合(無症候のSARS-CoV-2感染者)を主な評価項目にしています。
この試験結果をもとに、承認申請するとすると、モルヌピラビルは、基礎疾患を持つ少し重症化しやすい方が主な投与対象となるのに対し、S-217622は、無症状だがPCRや抗原検査で陽性となった方や、軽症の方が投与対象なり、それぞれすみ分けることになりそうです。
元々、モルヌピラビルは入院患者を対象に試験を実施していましたが、有効性が認められなかったために、対象を入院患者を対象とする試験は諦めた経緯がありますが、メルクの戦略は、モルヌピラビルを重症の患者に対する治療薬に位置付けたいという意向があるのかもしれません。
それに対し、塩野義は、経口薬ということから、無症状や軽症の方が重症とならないよう、治療できることを目指している感じがします。
ですので、今後モルヌピラビル関連のニュースで、塩野義の株価も当面影響を受ける可能性もありますが、モルヌピラビルのせいで塩野義の経口薬が承認されないことはないと思いますので、塩野義を信じて待てば良いかと思います。
あくまで、私見ですので、ご参考まで。