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(株)Casa【7196】の掲示板 2020/12/03

家賃を遅延する人にはその状況の解決に役立つ情報や制度を紹介したり、食事に困っている人には特定非営利活動法人(NPO法人)のフードバンクと提携して食料支援をしたり……。そうしているうちに、多くの顧客から「ありがとう」と言われるようになり、お客様から会社に感謝の手紙がたくさん届くようになった。

「社員の表情が日に日に明るくなっていくのが目に見えて分かりました。人から感謝されることが、社員のモチベーションアップにつながったのです」

 開始当初は、一時的に立替金が大幅に増加し、業績にも影響を与えた。しかし次第に社員たちにノウハウが蓄積していき、顧客に適切な対応を取れるようになり業績も回復した。
 
 宮地さんは当時を振り返り、「損失は20億円ほど出ましたが、私たちにとっては貴重な投資。すばらしい人材教育になりました」と語る。株式会社Casaのオフィスの入り口には、ここ数年で多くの顧客から寄せられた社員への「ありがとう」の感謝の手紙と写真がたくさん飾られており、全社員のやりがいと励みになっている。


オフィスの入り口に飾られた感謝の手紙や写真の数々

試行錯誤し上場を実現、上場後に社員の意識は大きく変化

 2013年、東証への上場を目指して、経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)を実行。不動産マーケットを再構築するためには、社会に対する影響力を持たなくてはならない。そのためには自社をパブリックカンパニーにするしかない、宮地さんはそう考えていた。

 上場準備にあたっては、上場経験者を採用することも多いが、株式会社Casaではそれをせず、宮地さんの陣頭指揮のもと、苦しい時期を共にした社員たちで上場準備に取り組み、上場に向けての情報と意識を皆で共有して社内体制の整備などを進めた。市場は上場基準がより厳しい本則市場を目指すことにした。幼少から人に難しいと言われるとやりたくなる性分からであった。

「2016年の上場を計画したのですが、『お客様本位の徹底』による立替金の発生などで、利益計画の見通しが甘くなっていることを感じ、改めて、利益計画の策定体制などを徹底的に見直しました。営業部門だけが頑張れば利益が達成できるわけではなく、全ての部門が関わってくるため、部門間の連携は非常に苦心しました」