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ステラファーマ(株)【4888】の掲示板 2022/02/03〜2022/02/09

>>1121

名古屋大学プレスリリース
2022.01.07

ガン治療に用いるホウ素中性子捕捉療法(BNCT) 装置からの中性子照射発光を検出することで中性子分布イメージングを実現 ~新しい中性子分布計測法への応用に期待~
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻の山本 誠一 教授は、矢部 卓也 名古屋大学大学院博士後期課程学生、関西BNCT共同医療センターの呼 尚徳 博士、金井 泰和 博士、京都大学の小野 公二 博士・京都大学名誉教授、京都大学複合原子力科学研究所の田中 浩基 教授とともに、がん治療に用いるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)装置 注1)からの中性子照射による発光を検出することで、中性子分布イメージングを実現しました。
BNCTは、ホウ素原子と中性子との核反応を利用して、がん細胞を内部から選択的に破壊・死滅させる治療法で、臨床利用が始まっています。臨床利用を効率的に進めるためには、BNCT装置からの中性子分布を短時間で精度よく計測することが求められますが、測定に時間と労力を要するという問題点がありました。
本研究では、この問題点を解決するために、中性子照射で荷電粒子を発生するリチウムを含むシンチレータ注2)を水中に配置し、BNCT装置からの中性子を照射しながら、光学カメラでシンチレータの発光画像化を試みました。その結果、0.5秒という短時間で、中性子によるシンチレータ発光の鮮明な画像を得ることに成功しました。この分布は、現在標準とされている線量測定法で測定された分布と一致しました。光学的手法を用いることで、短時間でBNCT装置からの中性子分布を精度よく計測できることを示した世界初の成果です。

また、この研究成果に先駆け、シンチレータを用いないで、水にBNCT装置からの中性子を直接照射することで発生する、ガンマ線に起因するチェレンコフ光注3)イメージングにも、世界で初めて成功しました。
これらの研究成果は、2021年12月27日付アメリカ医学物理学専門誌「Medical Physics」と、2021年7月1日付ヨーロッパ放射線計測学専門誌「Radiation Measurements」に、それぞれオンライン掲載されました。...以下省略

  • >>1123

    おまけ

    【ポイント】
    ・がん治療に用いるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)装置からの、中性子照射によるシンチレータ発光を利用し、中性子分布イメージングに成功した。
    ・開発した手法により、0.5秒という短時間で、BNCTからの中性子分布を鮮明な画像として得ることができた。
    ・シンチレータを用いずに、水にBNCT装置からの中性子を直接照射することで発生するガンマ線起因のチェレンコフ光をイメージングできることも明らかにした。

    【用語説明】
    注1)ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)装置:
    BNCTは、外部から照射する中性子と、がん細胞に取り込まれたホウ素が核反応を起こすことにより、がん細胞を選択的に破壊し死滅させる治療法で、その治療のための中性子を作り出し、照射する装置をBNCT装置という。

    注2)シンチレータ:
    放射線の照射で発光する物質。代表的なものに、ヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))や硫化亜鉛(ZnS(Ag))などがある。

    注3)チェレンコフ光:
    従来から知られていた水の発光現象。一定以上のエネルギーの放射線を、水などに照射すると発光する現象で、パーヴェル・チェレンコフが発見し、ノーベル物理学賞を受賞した。