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サンバイオ(株)【4592】の掲示板 2022/03/12〜2022/03/13

同社の臨床開発を統括するBijan Nejadnik氏が、今回の申請に関連して、慢性期TBIに対する薬剤の評価方法に関する説明に相応の時間を割いた。Nejadnik氏は「規制当局が求めてきたのは臨床的に意義のあるエンドポイントを教えてほしい、ということだったので、MCIDを定めて測ろうということになった」と述べた。MCIDとは、臨床的に有益であると解釈できる最小のスコア変化値(Minimally Clinically Important Differences)のことで、これまで急性期脳卒中後のMCIDは定められていたが、慢性期脳卒中や慢性期TBIについては設定されていなかった。そのため、サンバイオが関与する研究によって新しく定義された。

 つまり、脳卒中後のリハビリ効果などに用いるDRSおよびFMMSの数字を慢性期TBIに対する薬剤の有効性評価に使って、どれだけの変化量が見られたら「有益」となるかの基準が決まったわけだ。DRSで-1.5点、FMUE(上肢スコア)で6.2点、FMLE(下肢スコア)で3.2点、FMMSで8.4点のMCID基準を超えたら、有益と判断されるという。この内容は2021年11月1日に同社がリリースしている通りだ。

 そして、サンバイオのTBIに対する第2相(STEMTRA)試験の最終解析結果が、2022年4月の米神経学会で発表される予定となり、プレナリーセッションに選ばれたことも合わせて報告された。おそらく、このMCID基準を用いて解析した内容が報告されるものとみられる。プレナリーセッションへの選出はSB623への注目度なのか、MCIDに対する注目度なのかは分からないが、こうした第三者的なレビューがしっかりした学会発表や論文掲載により、医薬品医療機器総合機構(PMDA)がゴーサインを出しやすくなるというのは容易に推察できる。

 Nejadnik氏は質疑応答でも「アクセプタンスレターをもらうには有効性が示唆されなければならず、これが最も大きなハードルになる」と強調し、森敬太社長も「Nejadnik氏の説明した内容はボトルネック解消の大きな理由の1つだった」と述べた。タイミング的にも、サンバイオの申請実現は、MCIDの設定あってのことだったと思われる。他の先駆け制度指定品目にとっても、有効性の評価が最難関のハードルであると改めて認識されそうだ。