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(株)リボミック【4591】の掲示板 2015/07/10〜2015/07/13

 核酸医薬というと、以前から、アンチセンス、アプタマー、siRNA医薬、デコイ、リボザイム、最近では免疫賦活剤(アジュバント)も含め、さまざまなものが提案されてきましたが、現実に日本で承認を取得したのは血管内皮成長因子(VEGF)を抑制するアプタマーである加齢黄斑変性症治療薬の「マクジェン」のみ。海外に目を転じても、マクジェン以外では米国でサイトメガロウイルスによる網膜炎を治療するアンチセンス「Vitravene」が98年に承認されているぐらいです。また、マクジェンよりもVEGFに対する抗体断片の「ルセンティス」の方が効果に勝るという判断が下され、少し向かい風が吹く状況にありました。
【解説】黄斑浮腫治療薬アプタマー製剤「マクジェン」vs.抗体断片製剤「ルセンティス」、軍配はルセンティスに上がる
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0495/
 ところがここへ来て、少し風向きが変わってきました。核酸を化学修飾することによって、核酸医薬の課題と常々言われてきた血中の安定性を改善する製剤技術が登場。この技術を用いたアンチセンス医薬「KYNAMRO」(ミポメルセン)を3月28日、米Genzyme社が家族性高コレステロール血症に対する治療薬として米食品医薬品局(FDA)に承認申請しました。
Isis社、Genzyme社、アンチセンス医薬「KYNAMRO」をFDAに申請
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120330/160350/
 このような状況で開催されたのが、今回の特別シンポジウムです。シンポジウムの内容は後程幾つかの記事として紹介させていただきますが、講演を聞いていると、日本は伝統的に核酸化学の研究が強いことが非常によくわかりました。また、ベンチャー企業が革新的な技術の開発を進めている他、分析技術やPETイメージング技術などのプラットフォーム技術の側でも核酸医薬の分析、開発支援ができるように準備を進めていることがわかりました。後は開発に大きな投資ができる製薬企業の登場が待たれる状況ですが、200人を超えるシンポジウムの参加者があり、その多くは製薬企業の関係者だったということですから、製薬企業も核酸医薬に大きな関心を持っているのは間違いありません。