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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2020/01/26〜2020/01/27

>>1221

お待たせこんばんは

特別に漱石だけ詳しくもないけど
確かに漱石ネタならいくらでもやれる気がしまんな

morさんは「勉強熱心」でそれなりの年配と思ってたから
読んでへんというのを見て、実はちとショックやった

かつては国民作家といわれたもんやけど…
もっとも、こら聞いた話やけど
20年ぐらい前は「マンガとマージャンの本しか読んだことがない」
ちゅうような学生が平気で文学部に入ってた
いまどきは「マンガも面倒で読まないからゲームだけ」
てな学生までいて、英文科はともかく独文科ぐらいになると
「ドイツの小説、ひとつも読んだことがない」学生ばかりでカイメツ状態

愚痴はこの辺にして…閑話休題
漱石をどこから読むかというと…
初期にはそうもいろんなものを試してまんな
「夢十夜」はよく取り上げられる
これに似たものでは弟子の内田百閒に「冥土」「旅順入城式」という
短編集があって資質的にはこの方面は百閒の方がシックリ?
ちなみに与太郎も「第三夜」のパロディを去年、ガンホー板に書いた
「願宝堂奇談 アホルダー百物語」の一編、興味あればご一読を

作家としての成長を追うなら「草枕」辺りがええかも
「草枕」「三四郎」はどっちも淡い水彩画みたいな印象やったかな?
「三四郎」が学生の話なら、それからあと(卒業後)社会に出てからを書いたのが「それから」(キャラクターは変えてあるけど)で、これで漱石は日本を代表する不倫作家になった。不倫した2人のその後を書いたのが「門」。
漱石はタイトルに無頓着なタイプで「新聞に次の連載の告知を出すから今晩中に題名を考えといてくれ」と小宮豊隆と森田草平に命じて、2人の弟子は内容も知らんから「何にでも対応できそうな名前」をひねりだして「門」となった。
「それから」はロマンティックで恋愛がテーマ、「門」は自然主義的で生活?がテーマといえば、ニュアンスが伝わるかと

「三四郎」からあとは執筆順に読んで行かれたらOK
ただし前述のように「こゝろ」でいったんの完成を見ると同時に
そこにひとつの断絶がある

端折って書いたけど字数が足らんようになった

(続く)

ほな

  • >>1288

    (続き)

    個人的には「老子」、プラトン「ポリティア」、「夏目漱石全集」は
    早いうちに読んでおいて損はないと思う

    漱石は一高で18世紀英文学を論じ、その中で想像力の作家スウィフトとジャーナリスト出身で想像力ゼロのリアリズム作家デフォーを主に比較してるけど、この2人の共通点は普遍性であった
    対するに、そこで他に引き合いに出したサッカレー、アディスン、スティールなどはファッションの作家で、その作の寿命は短い。
    サッカレーは元来イラストレーターで、年下の人気作家ディケンズに挿絵の注文取りに行ったら断られ、それが悔しくて小説を書いた。現在では「虚栄の市」だけ命脈を保つ。アディスン、スティールも岩波文庫にちょっと入ってるぐらい。
    この3人の作風は例えば「おい、やつのシャツを見ろよ。あのカフスは去年の流行りだぞ。恥ずかしくないのかね?」と人を揶揄してまたそれが全てといった類で浅く、普遍性には程遠い。
    …何でこんな駄文を連ねたかというと、実は漱石自身も具体的な文章では表面的な風化は避けられぬかと、未読のmorさんを思って気付いたからで

    実際、漱石が難しいという若い人がときどきいるんや(深く読むという意味でなしに)

    例えば(これも全部、記憶で書くけど)…
    「それから」の初めの方で主人公の大助が親父に呼びだされる。

    「お前、いくつになった?」
    「取って三十です」

    …ここにもう火花が散ってんのや
    明治憲法下では三十歳までは婚姻や居住は親の監督下にある
    厳密には親に反対されると結婚できん。裏を返すと親の言い付けで結婚…もある。
    息子を政略結婚させたい親父は知ってて歳をきいて、
    「まだわしの勢力下にいてるんやで」と牽制している。
    「もうすぐあなたの引力圏から逃れますよ」と大助は反撃している。

    明治憲法自体、まったく知らん人ではピンと来ぬ可能性大。
    連載当時の人は自然に読んでたわけやから、現代人で本質?と無関係なディティールを読み解くのが煩わしい人もいてるやろ。
    反対に、時代背景やそこにある異質な雰囲気を楽しむという読み方もある。一種のアンティーク趣味、あるいは異世界へのあこがれ?
    ……作者がそんな読まれ方まで意識していたろうかと思うと、何か妙な感じもする。

    またとりとめがなくなったけど、今日はここまで。

    ほな

  • >>1288

    夏目漱石愛が溢れる文章ですね。
    僕は若い頃は文学が人生の問題を解決するものだとは思っていなくて、主に哲学とか物理学なんかを読んでいました

    ハイゼンベルグの部分と全体とか、禅の坊さん関係とか、中村天風とかヨーガとか

    で、石原元東京知事が文学者?と知り、少し文学を見直していたんですが、今日の夏目漱石スペシャルでかなり興味を持ったという段階ですね

    nhkのEテレの100分で名著は中々いい番組ですね。
    今はマルクスアウレリウス?を1.5倍速で見てますが、なんといっても時間が圧倒的に足りない(苦笑)

    人生経験や思考が深くなってくると物事を多角的に見られるようになって、興味の対象が幅広くなり、しかも自分と見方考え方の違う思考法に出会うと、今までの思考法とは違うのでかなり苦労して繰り返しリピートしながら自分のものにしようとするため体力頭脳を使って疲れます(笑)

    で、先程は気晴らしに夏目漱石を書いたわけです

    それがこんなに共感を持って返信が来るなんて、驚いています。
    社会には知らないことが多いなと

    しかもあまり興味のなかった夏目漱石でこんなに反響があるとは思いもしなかった

    番組を見ていても、あの主人公の周りの女性たちの会話?にはノックアウトされそうな迫力?を感じて、自分はああいう文章が書けるだろうか?と繰り返し見直していました

    実に世界は面白さに満ちています

    また何かあったら色々教えてください