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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2020/01/26〜2020/01/27

>>1288

(続き)

個人的には「老子」、プラトン「ポリティア」、「夏目漱石全集」は
早いうちに読んでおいて損はないと思う

漱石は一高で18世紀英文学を論じ、その中で想像力の作家スウィフトとジャーナリスト出身で想像力ゼロのリアリズム作家デフォーを主に比較してるけど、この2人の共通点は普遍性であった
対するに、そこで他に引き合いに出したサッカレー、アディスン、スティールなどはファッションの作家で、その作の寿命は短い。
サッカレーは元来イラストレーターで、年下の人気作家ディケンズに挿絵の注文取りに行ったら断られ、それが悔しくて小説を書いた。現在では「虚栄の市」だけ命脈を保つ。アディスン、スティールも岩波文庫にちょっと入ってるぐらい。
この3人の作風は例えば「おい、やつのシャツを見ろよ。あのカフスは去年の流行りだぞ。恥ずかしくないのかね?」と人を揶揄してまたそれが全てといった類で浅く、普遍性には程遠い。
…何でこんな駄文を連ねたかというと、実は漱石自身も具体的な文章では表面的な風化は避けられぬかと、未読のmorさんを思って気付いたからで

実際、漱石が難しいという若い人がときどきいるんや(深く読むという意味でなしに)

例えば(これも全部、記憶で書くけど)…
「それから」の初めの方で主人公の大助が親父に呼びだされる。

「お前、いくつになった?」
「取って三十です」

…ここにもう火花が散ってんのや
明治憲法下では三十歳までは婚姻や居住は親の監督下にある
厳密には親に反対されると結婚できん。裏を返すと親の言い付けで結婚…もある。
息子を政略結婚させたい親父は知ってて歳をきいて、
「まだわしの勢力下にいてるんやで」と牽制している。
「もうすぐあなたの引力圏から逃れますよ」と大助は反撃している。

明治憲法自体、まったく知らん人ではピンと来ぬ可能性大。
連載当時の人は自然に読んでたわけやから、現代人で本質?と無関係なディティールを読み解くのが煩わしい人もいてるやろ。
反対に、時代背景やそこにある異質な雰囲気を楽しむという読み方もある。一種のアンティーク趣味、あるいは異世界へのあこがれ?
……作者がそんな読まれ方まで意識していたろうかと思うと、何か妙な感じもする。

またとりとめがなくなったけど、今日はここまで。

ほな