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日本郵船(株)【9101】の掲示板 2021/10/13

邦船大手、業績上振れも。円安進行 1ドル=113円台。船主にも追い風
 為替相場で円安が急速に進んでいる。米長期金利の上昇を契機に、13日午後時点の対ドル円相場は1ドル=113円台と2年10カ月ぶりの円安水準で推移。邦船大手3社の下期前提に比べて3―8円安い。邦船オペレーターや外航主体の国内船主はドル収入主体のため、円安は収益面の追い風となる。特に邦船大手3社は今期、空前のコンテナ船好況で過去最高益を見込んでおり、このまま円安傾向が続けば、さらなる業績の上振れ要因となりそうだ。
 海運大手3社の2022年3月期の連結経常利益予想は、日本郵船が5000億円(前期比2・3倍)、商船三井が3500億円(同2・6倍)、川崎汽船が2750億円(同3倍)。
 コンテナ船事業統合会社オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)の大幅増益を主因に、3社そろって過去最高益を更新する見込み。
 各社の下期(10月―来年3月)の為替レート前提は日本郵船が1ドル=105円、商船三井が110円、川崎汽船が105円。
 1円の円安により見込まれる増益効果は、日本郵船が通期ベースで40億6000万円。商船三井は7月―来年3月の9カ月間で最大26億円、川崎汽船は9カ月間で4億円を見込む。
 円安は外航主体の国内船主にもプラス要因となる。
 外航船主の用船料収入はほぼ全額がドル建ての半面、地方銀行からの船舶融資は低金利の円ファイナンスが中心。ドルを円に換算する必要があるため、円安が進めば地銀への返済負担が軽くなり、経営の追い風となる。
 一方、オペレーターのコスト上昇要因にはバンカー(燃料油)価格の上昇基調が挙げられる。原油高を反映し、12日付シンガポール市場のVLSFO(低硫黄重油)価格はトン当たり610ドル前後と1カ月前に比べ60ドル強上昇。日本郵船と商船三井の下期前提に比べて110―130ドル高い。
 ただ、邦船大手3社は既に下期のバンカー調達価格をほぼ固めており、燃油相場による今期業績への影響(ONEを除く)は限定的にとどまりそうだ。各社の損益の感応度はトン当たり1ドルの変動で日本郵船4600万円(通期ベース)、商船三井数百万円(9カ月)、川崎汽船100万円(同)を見込む。