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東京建物(株)【8804】の掲示板 2021/08/13〜2023/06/23

Business Journal  新築ビル、空室率14%の異常な高さ  
2021.12.11  牧野知弘「ニッポンの不動産の難点」

 縮小・解約の動きはIT、情報通信系だけではない。四大監査法人の一角であるデロイトトーマツは、千代田区丸の内にある三菱地所の基幹ビルのひとつ、二重橋ビルの2フロアの解約を発表した。このビルは1フロアが900坪超であるから、1800坪を超える大型解約である。

 だが、こうした動きはまだ「始まりの終わり」であるかもしれない。現在、多くの大規模ビルに入居するテナントの多くが、期間3年から6年程度の建物定期賃貸借契約を結んでいる。この契約は期限を迎えない限り、条件を変更することが基本的にはできない仕組みになっている。つまり、今すぐにオフィス面積を縮小、解約したくても、契約期限が到来しなければ具体的な行動に移せない状況にある。

 コロナ禍が始まったのが1年半前である。この期間中に期限を迎えた大型テナントは、オフィス面積の縮小・解約に舵を切れたが、その他の多くのテナントが、膨大な解約予備軍になっている可能性もあるのだ。

 もちろん現状は期限を迎えるまでは、契約を継続しなければならない立場にあるので、具体的にビルオーナーと交渉しているテナントの数は少ない。こうした表面的な現象だけを根拠に「うちには影響はない」と嘯(うそぶ)いているビル事業関係者は多いが、内心ではこれから起こるかもしれない環境変化に心休まらない日々を過ごしていることであろう。

 影響は今後オープンする新築ビルのテナント募集にも出始めた。21年10月の空室率は6.47%だが、これを竣工6カ月以内の新築ビルについてみれば、空室率は14.03%におよぶ。前年同月は2.13%だから、その変貌ぶりは瞠目に値する。浜松町に再開発される世界貿易センタービルも今のところ2割程度の空室があるという。また東京駅八重洲口にオープンした常盤橋タワーも満室オープンとはならなかったようだ。

 政府の後手後手のコロナ対策と、どこか似ているような気もする。23年には都内は大規模オフィスが続々竣工を迎える。来年から再来年にかけて契約期限を迎える大型テナントの面積縮小・解約がだらだらと続くなか、迎える23年の大量供給問題。


8804 - 東京建物の八重洲再開発はどうなるんやろ?