ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)三井住友フィナンシャルグループ【8316】の掲示板 2021/07/10〜2021/07/15

一口に「コロナ後はインフレになる」とは言っても、どの程度のインフレを念頭に置くかによって、その意味は大きく異なる。
大局的に言えば、1980年代後半からの過去30~40年は、先進国の物価は概ね安定していた。
その「物価安定期」をさらに細かく見れば、インフレ率は緩やかに低下傾向をたどってきた。そして2010年代になると、インフレ率が金融政策の目標である2%を下回る状況が、日本だけでなく米欧でも常態化した。
FRB自身は、前述のとおり2023年には2%物価目標を達成して利上げに進むことができると考えている。ただ、このFRBの見方は、最近の強い物価指標にやや引きずられているように思う。
来年は、米国景気が好調を維持するとしても、物価は今年の反動で意外に弱くなる可能性が十分考えられる。その場合、FRBは予定していた利上げに再び慎重になるだろう。
半導体をはじめとする製造業には、おのずからサイクルがある。今は足りない半導体も、経験則で言えば、2年後には余剰局面を迎えていてもおかしくない。
コロナ後はインフレになるという懸念が杞憂(きゆう)に終わるばかりでなく、2%物価目標が結局は達成できない可能性が、米国ですらかなり残っているように思う。
今から2年後、3年後でも、FRBはそう簡単に利上げに踏み切れないのではないか。
【「高インフレ時代」は杞憂、FRBが利上げを結局できない理由】
(門間一夫氏 DIAMOND ONLINE 07/09)より一部抜粋