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(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】の掲示板 2020/04/14〜2020/04/19

コロナ・地面師 コラボレーション総会
〜株主をコロナリスクに晒す積水ハウス総会〜
稲垣・仲井・内田・阿部・西田・堀内の六巨頭による最後の隠ぺい工作

積水ハウス、緊急事態宣言下でも開きたい株主総会

北西 厚一
日経ビジネス記者
2020年4月16日

 積水ハウスが4月23日に予定する株主総会で、同社の現社長ら主流派とのプロキシファイト(委任状争奪戦)に挑む勝呂文康・取締役専務執行役員ら株主提案側は16日、総会開催延期の仮処分を大阪地方裁判所に申し出た。大阪府は緊急事態宣言の対象地域で、株主が集まりにくい中での開催は不誠実との指摘だ。一方、オンラインでの議決権行使も用意している会社側は「延期は経営に重大な影響を及ぼす」として開催を断行する構えだ。

参考記事:積水ハウスへの株主提案 「真の目的は会社の正常化」

 積水ハウスは当初、株主総会を本社に隣接する「ウェスティンホテル大阪」(大阪市北区)で開催する予定だった。ただ、4月15日にホテル側から「場所の提供が困難」との通知を受け、急きょ本社のある「梅田スカイビル」内の会場を確保した。

 新会場では新型コロナウイルス対策で座席の間隔を広げるため、昨年までの会場と比べ、用意できる席数はかなり限られるという。株主提案の形で会社とは別の取締役候補を挙げている勝呂氏らは「制限するのは不公平だし、そもそも感染リスクがある中で開催を強行すべきではない」という姿勢だ。

 新型コロナの国内での感染が急増した後も楽天(3月27日)やGMOインターネット(3月30日)などが入場者の制限やチェックを厳格化した上で株主総会を開いた。ただ、いずれも4月7日の緊急事態宣言以前だ。積水ハウスの会場の大阪府は対象7都府県の1つ。政府は外出の自粛を求め、人との接触を極力8割削減することを呼びかけている。


積水ハウスは社内向けには緊急事態宣言に伴う対策強化を通達している

株主提案側が外国人株主取り込み
 それでも会社側が開催にこだわるのはなぜか。その1つは株主提案側が予想外に健闘していることだろう。勝呂氏が和田勇前会長とともに「打倒・主流派」に立ち上がったのは2月中旬。その後、取締役候補の1人である米投資銀行業務トップのクリストファー・ダグラス・ブレイディ氏の奮闘もあり、株主構成の3割を占める外国人株主を取り込み、シャープなど国内の大口株主も味方につけた。

 4月に入ると、米議決権助言会社大手のグラスルイスが阿部俊則会長や稲垣士郎副会長ら経営の中核をなす代表取締役4人の再任について反対を推奨。インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)も阿部氏、稲垣氏の選出に反対する意向を示した。その一方で、両社はブレイディ氏の選任に賛成している。

参考記事:積水ハウスの「トップ4」、米グラスルイスが選任反対

 株主提案側は取締役全員の入れ替えを求めているが、「4人の代表取締役が好き放題に会社を動かす異常事態を正常化させることが真の目的」(勝呂氏)。その線で行けば、争点は阿部氏と稲垣氏が選任されるかどうかだ。株主提案側は勢いづいており、延期となれば、その風がさらに強まる可能性もある。

 株式の5%を持つ積水化学工業など会社側の固定票も一定数あり、プロキシファイトのカギを握るのはまだ態度を決めていない浮動票だ。ただ、数百人が一堂に会する株主総会に出たくはなく、オンラインで投票できない株主もいるだろう。会社の論理はともかく、ステークホルダーを大切にすることを、積水ハウスはもう少し真剣に考えるべきかもしれない。