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任天堂(株)【7974】の掲示板 2023/03/03〜2023/03/06

為替は本当に難しい。むかし経理に聞いたところによると、まず、想定レート。これは営業が外貨建て売上の計画や予算を作成するためだけに使用する。輸出売上予算の外貨を円換算する必要があるからだ。3Q決算後、任天堂は135円/ドルを125円/ドルなどに変更したが、これは4Qのドル売上予想が例えば100万ドルであったとすれば135百万円を125百万円に変更するということである。その他の外貨売上も同様に見直して、結果、4Qの売上予想を引き下げたため、減収減益の修正発表した。皆さんご承知のとおり、実際はドルは1月以降ほぼ135円/ドルで推移しており、要は修正の必要がなかった。ということである。任天堂の保守的業績予想には困ったものである。そんなことだから、為替の想定レートを見直しただけなのに、ニッケーに「任天堂、減収減益」の大見出しで実際に業績が悪化したかのように書き立てられることになる。(一方ソニーは2Q決算のとき、下期のドル円レートを140円前後に想定してその後変更していない。ソニーの業績予想は上底だ。この違いはニッケーは無視。)ニッケーの経済記者は想定レートは業績の予想にだけ関係しているということの理解が出来てるのか心配になる。任天堂の3Q決算短信に「為替の前提レートを見直したことなどにより、通期の業績予想を修正します。」とはっきり書いてある。これはうちの会社でもいつも確認事項になっていて、予算を立てるときに、経理が営業に「レートはいくらで見てるのか、根拠はどうだ、見直す必要はないのか?」と毎回聞いている。
次に実際のPL上の為替差損益。これには為替の決済時の差損益と、期末の売掛金などの勘定残高の評価差損益がある。
輸出売上については、たいていの会社は前月末のレートとか前月の平均レートとかで当月売上を計上する。つまり3月の輸出売上は2月の平均レートとか2月末レートで計上する。(任天堂のダウンロード売上は当日レートで計上しているかもしれない。これは僕は分からない。)これが実際に支払われる時点で、変動していると決済差損益が発生する。また、決済の前に決算期が来ると期末レートで評価するので、為替”評価”差損益が発生する。
面倒なのはこれらが連結となると海外の販社との差損益は相殺されることになるし、外貨建て資産負債の半分は予約でヘッジしてたり、外貨の負債があるとヘッジと同じ効果があるとか、会社によって異なるので、よくわからんということになる。総じて言えることは期首より期末が円安なら為替差益、円高なら為替差損という大まかな傾向だけだ。
それとここだけ読んでもらえばいいが、任天堂は3Q決算で業績修正の必要はなかった。ということだけである。もう3月に入って、売上レートは確定したので全く必要なしが確定。あとは実際の外貨建ての売上だがこれも保守的に見積もる傾向なので(営業は予算未達を忌避する)上振れ間違いなし。配当も109円を96円に修正していたが、これも修正予想の必要がなかったことが確定。おそらく120円くらいで着地だろう。あとは、3月末のレートが突発事象のせいで極端に円高に振れるとかがなければ大体この通りだと思う。
この上方修正が本決算で公表されるが、同時に来期の予想も発表される。するとまた任天堂は、(SWITCH2の発表でもあれば別として)、想定レート、120円/ドルとかやって、売上も控え目予想で、またニッケーに「減収減益」とやられる。毎年の恒例行事となる。デジャビュもいいとこだ。ニッケーは任天堂に恨みでもあるのか。ソニーみたいにテレ東に広告ださないからか。経団連にはいらないからか。意味不明だ。中国菌も終わるし、戦争も必ず終わる。アメリカは武器の在庫一掃が近いだろう。今後軍事関係の更新需要とか航空機関連需要とかいろいろ考えたらどうだろう。