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(株)セルシード【7776】の掲示板 2015/06/29〜2015/09/03

 
2012年7月17日
国内メーカーで心筋再生治療で先行しているのは医療機器大手のテルモだ。今年2月には世界で初めて細胞シートを使った心筋再生治療の治験を開始すると発表した。
テルモは2002年、当時、患者の太ももの筋肉に含まれる骨格筋芽細胞を使った心筋再生治療の臨床研究で先頭を走っていた米ベンチャーのダイアクリンと提携し、国内に技術導入しようとしていた。
 ダイアクリンの技術は、患者から採取した骨格筋芽細胞を体外で培養し、胸を開けて細胞を心筋に直接注射する方法。テルモは国内導入のために大阪大学大学院心臓血管外科の澤芳樹教授に技術の評価をしてもらっていた。 同時期に米ジェンザイムと米メドトロニックが欧州において実施していた大規模臨床試験MAGICが、骨格筋芽細胞を移植する治療の有効性を証明できす開発がとん挫。直接注射する方法では移植する細胞の多くが傷むため効果を十分に発揮できなかったことが要因とされているが、注射によって筋肉が盛り上がることから不整脈という副作用を起こすリスクがあったことが影響したといわれている。

MAGICの失敗を受けて、テルモと澤教授らは開発計画の見直しを迫られる。そのなかで澤教授が考案したのが、骨格筋芽細胞をシート状に培養して心筋に貼り付ける方法だった。東京女子医科大学先端生命医科学研究所の岡野光夫教授が開発した細胞シート技術を活用した。


 年に澤教授らは細胞シートを使った心筋再生の臨床研究を初めて実施し、心臓移植を待っていた拡張型心筋症患者が人工心臓を取り外せるまで心機能が回復した。同治療のメカニズムはまだ明らかになっていない。ただ、シート状にすることで細胞の心筋への生着率が高くなるため、血管もつながり細胞から増殖因子が出やすくなることが影響しているのではないかと推測されている。増殖因子が心臓や血液中の幹細胞を呼び込むことで心筋組織が修復を促すという。
 細胞シートを使用した心筋再生治療は年に国のスーパー特区プロジェクトに選定された。テルモも同プロジェクトの共同開発メンバーとして参画することになった。