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浜松ホトニクス(株)【6965】の掲示板 〜2015/04/27

 2013年のノーベル物理学賞が決まった「ヒッグス粒子」は、宇宙が今のような姿になった理由を説明するのに欠かせない素粒子だ。科学史に残る「世紀の大発見」は、最新技術を集めた巨大加速器を使う国際共同実験によって確かめられ、受賞への後押しとなった。この実験は日本の科学者や技術が支えてきた。

 ピーター・ヒッグス氏とフランソワ・アングレール氏は今年の物理学賞の「絶対本命」とみられていた。欧州合同原子核研究機関(CERN)の巨大加速器「LHC」で、両氏の理論が正しいと確かめられたからだ。そこには、多くの日本企業の技術が使われている。

 LHCは山手線の大きさに匹敵する1周27キロメートルのトンネルに設置した。陽子を光に近い速さで正面衝突させることでヒッグス粒子を出現させる。

 その衝突を実現する超電導電磁石を納入したのが東芝だ。光速に近い陽子を正確に衝突させるのに欠かせない。古河電気工業は加速器の心臓部となる超電導線材を開発した。線材をコイル状に巻いて超電導電磁石として使っており、強い磁力で陽子を加速する。新日鉄住金ステンレスは超電導電磁石に使う特殊ステンレス材を納めた。

 LHCには、東大や高エネルギー加速器研究機構など日本の16機関が参加する「ATLAS(アトラス)」と欧米を中心とする「CMS」の2つの検出装置がある。浜松ホトニクスはヒッグス粒子の検出に使うセンサーを開発し、双方で採用された。昼馬明社長は「人類にとって偉大な物理学の実験で役に立ち、大きな仕事に参画できた」との談話を出した。

 アトラス実験には、世界から約2900人が参加、日本から約110人が加わった。検出装置の開発から実験、データの解析で活躍した。